『観劇記』

観劇記 あまご 
2014年3月24日
          作 :ベルトルト・ブレヒト   
           演出:小森明子
          東京演劇アンサンブル ブレヒトの芝居小屋 
          
         
 昨年、私たちが演じた「屠殺場の聖ヨハンナ」、東京演劇アンサンブルが創立60周年記念として上演しました。東京での仕事の帰り、30分遅れてしまいましたが観てきました。何度も練習した芝居ですから、途中からでも充分溶け込むことができました。自分が演じた役はもちろんですが、アンサンブルの役者さんの顔と台詞が私たちと重なって、いつもとは違った気持ちで芝居を観ている私でした。
 あの長い芝居がコンパクトに凝縮されて、ブレヒト芝居らしいポエムもしっかり折込められていて、あっという間の2時間(見れたのは1時間半ですが)でした。舞台装置も写真のように支配する階層の人達は上に、支配される側の貧しき者たちは下に、明確な舞台空間です。今の日本、どんどん二極化が進んでいます。下層はさらに仲間同士が分断され、絶望と貧困、負け続けるしかないのか。ブレヒトがこの作品を書き上げた大恐慌の時代、今から100年前と同じように・・・怒りを決めて、今、この作品をたくさんの人たちに観て欲しいと思いました。
 来週は倉敷に、東京演劇アンサンブルによる、坂口安吾作「櫻の森の満開の下」を芝居仲間と観に行きます。桜の季節、桜の花が舞台いっぱいに舞い散るこの芝居楽しみです。マンションの入り口の桜も咲き始めました。


 




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