『イヌの仇討』 
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観劇記 あまご 
2021年10月22日 
 
10月例会(第692回)
オペラシアターこんにゃく座公演
原作:井上ひさし 台本・作曲:林光 演出:上村聡史
吉良上野介:大石哲史
清水一学:島田大翼
大須賀:大久保哲
榊原:富山直人
牧野春斎:沖まどか
お三さま:岡原真弓
おしの:熊谷みさと
おしん:齋藤路都
お吟さま:山本伸子
砥石小僧新助:佐藤敏之
黒衣:吉田進也
黒衣:泉陸史



『イヌの仇討』
手元にある本の帯には「物置から覗く忠臣蔵」吉良上野介悲運の日
赤穂の追手をのがれ身をひそめた炭部屋での一刻。
これぞ井上戯曲の真骨頂、奇想あふれる忠臣蔵秘話!と書かれていました。
 また
裏帯にはちょっとしたあらすじ「本所吉良屋敷内 
味噌の香のこる寒い寒い炭部屋
赤穂浅野の討手を遁れ 
近習女中らと身をひそめた上野介の隠し砦
一座の主人はお犬様 
五代将軍じきじきの賜物
やがて隅の長持ちの蓋が開き黒衣の男
砥石小僧の異名をとう駆出しの盗ッ人である。

 ところがこの本、いつ読んだかの記憶もなく
あるいは読んでいなかったかもしれません。
実は
芝居が始まってセリフが・・・・
あっオペラなんだと気づき
しばらくは外国の芝居を見るような気持ちで観ていました。
最近、眼も耳も悪くなり
想像力を加えながら見ることにしていたのですが
オペラの展開は意外と想像の域を超えているようでした
 翌日、本棚を見ると
この本があったのです。
一気に読みました。
なるほど
セリフを追いながら
昨日見た舞台が重なります。
まだ一夜しかたっていなかったので遅ればせながら間に合いました。
こんな経験は歌舞伎を見たときもありました。
セリフの意味が分からず焦るのです。
ロシアで芝居を見たときは言葉が分からないので
事前に勉強してゆきましたね?。
いつも芝居は新鮮な気持ちで観たいと思うので
事前にあらすじや台本を読むことはないのですけど
オペラは違うな!と改めて思いました。
 下り酒のこと、赤穂と三河の塩の違いなど・・・
話題も豊富です
極めつけは、この芝居、今の世にぴったり!
世間の風潮というものがいかにいい加減なものか
それに躍らせられる躍らせるお上たち庶民たち
取り巻き立ち、痛烈な批判劇でした。
上野介が朝の光に向かう最後のシーンは凛として美しかったです。



 

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