『Hansard』 NTL |
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Masao'sホーム 観劇記 あまご 2021年3月26日 KAVC |
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原題:Hansard 上演劇場:英国ナショナル・シアター リトルトン劇場 上映時間:約99分(休憩なし) 作:サイモン・ウッズ 演出:サイモン・ゴッドウィン 出演:リンゼイ・ダンカン、アレックス・ジェニングス 【あらすじ】 保守党の政治家ロビンが妻ダイアナと30年来共有していた のどかなコッツウォルズにある家に戻ると そこは理想的な場所から程遠い荒んだ場所へと変貌していた。 妻は酔っ払い 庭はキツネに荒らされ 潜めていた秘密の事柄がそこら中から顔を出していて・・・。 KAVC HPより パンフレットにはロンドン在住のむらかみしょうこさんが Contribution(寄稿)で 保守党議員の夫とリベラルな妻 舌戦があぶり出す特権階級による平穏 と題して 「なぜ、保守党は市民の支持を受けるのか。」 問いかけがありました この芝居の舞台となったのは 1988年、保守党政権を担新自由主義政策を推し進めた マーガレット・サッチャーの時代 サッチャー政権を支える夫ロビンが語る 多数派にいる方が楽だから |
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確かに 保守政治とはそんな想いを持つ人たちが支えているのかもしれません しかし サッチャーの新自由主義は労働者の生活の安定を支えるどころか 格差と分断をもたらし 国の分断を招いたとのそしりを受け ロンドン地下鉄で辞任の旨が放送されると 拍手喝采が起こったと 村上祥子さんは書かれています 日本でも同じようなことが今起きているような気がします 私からみればすでに末期的と思うのですけど 今なお40%の支持率があるのは不思議に思います 情勢は悲惨な方向に向かっているのに このままのほうが良いと思うのでしょうか ずるずると ずるずると 悪い方向に進んで行くような気がします さて この芝居 昨年観た「ヴァージニアウルフなんか怖くない」 と同様にすざましい会話のバトルでした しかし ラストはホットします 考え方は違っても二人の間には愛があったのです 最愛の息子を亡くしたのが 不仲の原因でした 考え方が違っても愛することができるのか その答えは 多分二人が誠実だったからだと思うのです 題名のハンサードとは議会の速記録の事 夫ロビンは速記録に自分の考えを残したいと云います 曖昧で無責任 しかも議事録を焼却してしまうような 人たちとは違うのです リベラル保守というか良心的保守というか そんな人の存在も必要だと思います 議論ができてこその民主主義ですから 多様性の問題だと思います 舞台には同性愛の問題も出てきました ロンドンの芝居はジュリエットが黒人女性であったり オフィ-リアの兄レア−ティ−ズが黒人であったり DNAを無視した配役があり それも多様性かなと想いながら観ています それにしても リンジー・ダンカン(ダイアナヘスケス)と アックス・ジェニングス(ロビン・ヘスケス) 二人の名優の演技は絶妙でした こうした芝居が観れるのも NTLの魅力です 次回も楽しみです |
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