吊橋いろいろ

Masao's Photo Gallery 山と橋を渡る
1本吊橋キャットウォーク
朝日連峰には1本吊橋があります。
写真は森を守る釣り人「瀬音の森」から提供していただきました。




この吊橋はCat Walkと呼ばれています。
Cat Walkとは船の機関室などにある狭い通路のことですが、
吊橋の世界では、ケーブルを架ける前の足場のことを言います。
いづれにしても狭いということでしょうか。

野猿
 
奈良県吉野郡十津川村はかつて都に遠いところから”遠都川村”と呼ばれていたそうです。
面積は672.35平方キロメートルで、奈良県の約5分の1の広さを占め、
村としては日本一の広さで琵琶湖に匹敵します。
この村には野猿や有名な谷瀬の吊橋があります。
野猿は祖谷にもあるようです。
 
 川に張り渡したワイヤロープに「やかた」がとりつけられており、
自分で引き綱を手繰り寄せながら渡ってゆく珍しい吊橋です。
昔は実用的な交通手段として使われていたそうですが、
現在は観光用として人気を呼んでいます。
渡るにはかなり力が要ります。
運転?しているのは私です。
谷瀬の吊橋

鉄線橋としては日本一長い吊橋ということです。
鉄線橋とは聞きなれない用語ですが、鉄のワイヤのことだと思います。
橋は全長297メートル高さ54メートル。本来は、村民の生活用の橋ですが、日本一の長さと周辺の景観の素晴らしさから十津川村一の観光名所になっています。
 少し専門的なことですが、吊橋の補強のためにPWSと呼ばれる六角形の平行線ケーブルが使われています。
PWSは白鳥、来島、明石などの長大吊橋に使われています。
明石海峡大橋のケーブルは、127本の鋼線を束ねた290本のPWSで構成されており、防錆のためのカバーがあるため、直接見ることができませんが、ここではその原型が見られます。



PWS

吊床版橋
京都府 美山町

床のなかにケーブルが入っています。
シンプルで合理的な吊橋です。

美山町はかやぶきで有名なところです

斜張吊橋
鯵ヶ沢人道橋
青森県の日本海側白神山地の近くにあります..
斜張吊橋とは、吊橋と斜張橋とのあいのこです。
中央部の桁は主ケーブルで吊られていますが、
端の方は斜めのケーブルで吊られています。
斜張橋とは東神戸大橋のように全て斜めに張られてケーブルによって、
桁が吊り上げている橋のことです。
日本で一番長いのは、しまなみ海道にある多々羅大橋です。
斜張橋


東神戸大橋
東神戸大橋は日本で2番目に長い斜張橋です。
私たちが住んでいるマンションからも見る事ができます。青木フェリータ-ミナル(現在サンシャインワーフというショッピングセンタ-)の前にあります。建設中に主塔の天辺に昇らせていただいたことを思い出しました。
斜張橋と吊橋の違い

吊橋は左の写真に示すように、塔の間のケーブルが張り渡され、ハンガーロープを介して桁が吊り下げられます。ケーブルの両端はアンカレッジで固定されます。

斜張橋は、塔から斜めに張られたケーブルが桁を直接吊ります。

斜張橋は中央径間長が1000m程度が限界とされています。世界最大の長大橋は多々羅大橋で890mです。吊橋は3000mまでは現在の技術で建設可能と思われます。

4径間吊橋
豊予海峡や津軽海峡に橋を架けることは夢のような話ですが、技術的な検討は進んでいます。課題は風と水深です。海中で水深の大きなところに橋脚を作るのは膨大な費用がかかるため橋脚の数を少なくなる4径間吊橋の検討が行われています。4径間吊橋は中央の橋脚がしっかりと踏ん張る必要があり、設計的にも架設するにしても難しい吊橋ですが、すでにあります。身近なところでは鳴門に小鳴門橋があり、木曾には桃介橋があります。

わかりやすく言えば、通常の吊橋は塔が2本ですが、4径間吊橋は3本あります。


小鳴門橋

吊橋の課題は風  穴の開いた吊橋
アメリカ、ワシントン州で1940年11月7日に起きたタコマ橋の落下事故の映像。タコマ橋は同年7月に開通してわずか4ヶ月後、しかもたった風速19m/sという風によってねじれ振動が生じ、その振幅が増大してケーブルが破断され、遂には落下してしまいました。
長大吊橋の最大の課題は風であることがわかりました。シュタイマンは耐風安定性を高めるために、グレーチング床版を用いたつり橋を考案し、1957年、五大湖にマキナック橋が完成しました。

 2500級の超長大吊橋を建設するための最大の課題は風です。このため、グレーチングを用いた吊橋の研究が始まり、平成9年にアメリカのマキナック橋、リスボンの4月25日橋の調査がおこなわれました。右の写真はこの時の調査状況です。
 4月25日橋(Salazal Bridge )は、平成7年に何度かバスで通過したのですが、このときは関心が薄かったせいか、グレーチングに気がつきませんでした

最後に
吊橋といえば、やはりかずら橋ですね。


冬のかずら橋もなかなかなものです。

山と橋を渡るに帰ります