御影公会堂
    
2016年02月28日     
山と橋を渡る  Masao's Photo Gallery




今日は御影公会堂まで散歩です。

御影公会堂は1933年(昭和8年)に建設され、
現在も地下にある食堂とともに市民の集いの場として
御影のランドマークとして昔のまま残っています。
設計者は神戸ゆかりの建築家清水栄二で
全国でもあまり多くは残っていない過渡期
(様式建築からモダニズムへの)建築と言われています。
それ故、昔は建築史家からは相手にされず
現在も文化財としては保護されていません。
それでも
モダニズムと様式建築の両方の良さを兼ね備えたこの建物 は
現代建築にはない多様な魅力を感じることができ
今でも多くの人が写真を撮りに来られたり、見学に来られます。
しかし
ペンキははがれ
壁自体もぽろぽろと崩れてくるなど
細かく見ていくと瀕死の状態にあると言っても過言ではありません
「御影公会堂のHPより」




御影公会堂は阪神石屋川から北へ3分
JR住吉駅から西に10分程
わが家から散歩できる範囲にあります。

神戸大空襲や阪神大震災にも無事だった公会堂
野坂昭如さんの「火垂るの墓」にも出てくる公会堂

83年を経過した公会堂は老朽化し
今年の春から耐震補強工事が行われることになりました。
外装や内装はできる限り元のままに残すことで
歴史的建築物として後世に伝えることになりました。
ただしエレベータを設けたり
地下1階の食堂の前には
展示スペースを設けられることなどが決まっているそうです。



神戸大空襲の記録なども
是非展示して欲しいと思います。
写真上は食堂に並ぶ人達



火垂るの墓を歩く会実行委員会の辻川敦さんは
毎年8月に
公会堂など小説の舞台を訪ねる催しを開いており
「古い形のまま保存され、使用できる建物は貴重だ。
戦争を語り継ぐ場としてもふさわしく
これからも使っていきたい」と話されているそうです。
「神戸新聞NEXT2月28日より」



公会堂の建設資金は白鶴酒造の嘉納治兵衛の寄付と
御影町の町費および一般の寄付で賄われたそうです。



御影町は
灘五郷のおひざもとですから財政的には豊かな町です。
ホールは当時としては最大の集会施設で
結婚式や様々な催し物が行われたそうです。

神戸演劇鑑賞会(旧労演)の第一会例会
木下順二作「夕鶴」は
今から62年前1954年7月にここで上演されました。



公会堂には大ホールだけでなく
和洋の貸室が1階〜3階に多々あり
現在も近隣の人たちの集会の場として利用されています。



特に有名なのは地下にある食堂で
故野坂昭如さんも暫し訪れられたそうです。



メニューも豊富で
一番の名物はオムライス



オムライスランチはサラダスープ付きで
税込880円



味は昔風でふんわりと綺麗な仕上がりです。



ランチは順番待ちです
食事のあと
公会堂の周りを散歩しました。



公会堂の北側は噴水公園



南は阪神石屋川駅
遠くに灘大橋が見えます。
そして石屋川の西の公園には
「火垂るの墓」のモニュメントがありました。



火垂るの墓に登場する。
中学3年の清太は空襲の焼け跡から
幼い節子をおぶって
浜から石屋川に沿って歩き
公会堂付近を見上げながら
御影国民学校で焼けただれた母と再会しました。
その夜母は亡くなり
二人の苦しみの旅路が始まりました。
とても辛い物語です。
「戦争は悲しく愚かなことだ」

新たな御影公会堂に
神戸空襲の展示コーナーを設けて欲しいと思います。





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