『ボビー・フイシャーはパサデナに住んでいる』

観劇記 あまご 
2014年7月15日 
シアター風姿花伝 
          作 : ラーシュ・ノレーン 
          翻訳:富永由美(晩成書房 ラーシュ・ノレーン戯曲集『悪魔たち』より
           演出:上村聡史(文学座)
          配役 グンネル(母親): 増子倭文江(青年座)
              エレン(娘)    : 那須佐代子
              トーマス(息子) : 前田一世
              カール(父親)  : 中島しゅう 
                   


このところ芝居の楽しみ方に変化がでてきました。
小さな劇場で緊迫感溢れる芝居を観ること
シアター風姿花伝、客席はおよそ90席
理想的な芝居空間です。




あらすじ(公演チラシより)
現代。ストックホルム
四人家族が久しぶりに再会する。待ち合わせは劇場。
観劇後、家族はわが家において束の間の一家団欒を試みる。
何げなく始まった芝居の感想が
それぞれ積年の想いに火をつけていく。
時は、容赦なく夜明けの先に待つ、朝へと向かう。

辛い芝居でした。
悲劇にはどこかウエットな部分もあるのですが
この芝居はそうではない
乾燥?してしまった家族の悲劇
お互いの愛を求めながらも
結果的にはどうすることもできなかつた

家族が久々に見た芝居は
ユージン・オニールの『夜への長い旅路』でした。
この芝居もまた辛い芝居です。
舞台はまるでオニールの芝居の延長のように展開して行きました。
そして現実にもあり得ると
悲しいけど認めざるを得ない
家族の関係をこのようにリアルに表現するとは
現代ヨーロッパの芝居の凄さを感じます。

ラーシュ・ノレーン
1944年ストックホルムに生まれ
スウェーデン国立移動劇団の芸術監督を務める
ヨーロッパでは著名な劇作家だそうです。
本邦初公開
若き演出家上村聡史と上手い役者達
今年の秋に西宮芸文でも上演される

『炎』

演出は同じく 上村聡史

那須佐代子、中島しゅう
そして文学座の栗田桃子、中村彰男が加わり
麻美れいに岡本健一も

時空を越えてゆく
人々の魂
神戸の秋も楽しめそうです。

 

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