『さらば!原子力ろぼむつ〜愛・戦士編〜』

                              観劇記 あまご 
                             2014年11月30日 
にしすがも創造舎 
作・演出:畑澤聖悟

 前作「翔べ!原子力ロボむつ」をザ・スズナリで観たのは2012年5月6日
日本の原発が43年ぶりにすべて止まった日の翌日でした。
あれから2年半ほど経ちました
福島の出来事が風化しているとは思えませんが
原発は自然の猛威に対して制御できないと
あの時私は確信したのですが
制御できると考えている人たちがいるようです。
 今回の「さらば!原子力ロボむつ」は東京が空襲を受ける場面から始まりました。
前作でも東京は度重なる地震と津波でばらばらの島となり
むつによって焼き払われたのですが
今回は東京(中央)に対するより強い怒りが現われていたように思いました。
 戦争に駆り出されたロボむつが
鉄腕アトムのように「人の役に立ちたい」という心を持ち始める。
科学の在り方はそのように進んで行けばよいのですが
科学や技術の進歩は人類を不幸にするかもしれない側面もあり
まさに両刃の剣のようなものだと思いました。
制御できない科学と技術
制御できない人間の愚かな欲望
時には立ち止まり
振り返って考えて見なければ
知らぬ間に暴走しているかもしれません。

 原子力ロボをアンサンブルとして演じた元気な青森中央高校演劇部の皆さん
最後の一人一人が倒れ
ロボむつが崩れてゆく姿がとても印象的でした。
お世話ロボットサツキとミナズキを演じたお二人も
声といい
動きといい
とても素敵でした。



今回は舞台が広かったので逆に動きにくかったのでは、
ちょっとそんな感じがしました。
 この日は工藤千夏さんと畑澤聖悟さんのトークショーがあったのですが
時間の都合で聞けなくて残念でした。
いつか青森の稽古場公演を見に行きたいと思います。



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