『観劇記 小林一茶』 

観劇記 あまご 
2015年4月18日 
 
          作:井上ひさし
          演出:鵜山仁
          こまつ座第108回公演 紀伊國屋ホール 

                   
 あらすじ チラシから
 江戸の三大俳諧師の一人と称される夏目成美(石田圭祐)こと、蔵前札差井筒屋八郎右衛門の寮から四百八十両の大金が盗まれた。
 容疑者は食い詰め者の俳諧師、小林一茶(和田正人)。
蔵前札差会所見廻同心見習いの五十嵐俊介(和田正人)は、お吟味芝居を仕立て、自身が一茶を演じながら、彼をよく知る元鳥越町の住人たちの証言をつなぎ合わせていく。
 そこに浮かび上がってきたのは、俳諧を究めようともがき、一人の女性(莊田由紀)を命懸けで奪い合った一茶と宿敵・竹里(石井一孝)の壮絶な生き様と事件の真相だった...。



チラシには井上ひさしのことばとして
この戯曲に登場する人物はすべて実在し
この戯曲の扱う事件は
なににもよらず史実である。
(中略)
この事件を経てこそ
はじめて一茶は一茶になったのだと
作者は確信する。



一茶については何も知りませんでした。
五七五のいくつかの俳句以外は
連句の発句を独立させ五七五の俳句を最初に作ったのが一茶とは・・・
そこに至るまでの出来事が
この芝居の中にあった。
当時の俳諧は何人かが集まり
最初の人が五七五の「発句」を出し
2番目の人が七七の「付句」を付け
3番目の人がさらに五七五を付ける。
こうして三十六句までつけることを
三十六歌仙にちなんで「歌仙」と呼んだそうだ。

五七五の今のような俳句ができあがるまで
生みの苦しみがあった事
小林一茶とはどんな人間であったのか
とてもよく描かれていた。
そこには井上ひさしの芝居の世界への苦しみも感じる。

芝居の中でただ一人の女優
六役も演じた莊田由紀さん
はじめてみる着物姿でしたが
なかなか色っぽかった。
3年前の三人姉妹での末娘イリーナとは
ずいぶん印象が違いました。
これからどんどん伸びてゆく女優さんだと思いました。


和田正人  莊田由紀  石井一孝

写真はパンフレットより

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