『観劇記 からまる法則』 

観劇記 あまご 
2015年7月30日 
 
          作:小関直人・演出:松本祐子 劇団銅鑼 俳優座劇場 

                   
劇団の企画で紹介された芝居の内容です
 ホームレス支援をモチーフにした作品で、格差社会・反貧困を背景にしながら、共生・人間再生・家族の再生を描いた感動の物語です。この度、さらに改稿し再演することになりました。
ホームレス支援だけではなく、知的障害を抱えて就労が困難な人、リストラされ家族が崩壊してしまい自暴自棄になった人、親を頼れなくなった子ども・・・そんな町の片隅で生活が困窮している人をなくしたい。
 「いつか路上生活者の方がゼロになって、この活動がなくなれば良いと考えています」
そんな思いで、活動を続けるメンバーとの関わりの中で、主人公・真理子は、弁護士として人間としての生き方を変えていきます。
 年間自殺者が3万人を越える現代日本。そして先の震災は多くの人々に心の傷も残しました。 自らの存在価値を生み出しにくい殺伐とした現代社会に一石を投じ、人と人の絆の再生に役立つことが出来ればと願いこの作品を企画しました。


企業弁護士として活躍する真理子のもとに
幼くして別れた父が病気だという知らせが届く。
かつて住んでいた家を訪ねてみると、
そこはホームレス支援団体の拠点となっていた。
炊き出しに集まる人たち、保護されている人たち。
思ってもみなかった父の生き方に戸惑いをかくせない真理子。
そこに現れた一人の男。
・・・真理子の抵抗むなしく、どうしようもなくめんどくさいことになっていく・



最後の場面
心温まるいい芝居でした。

「資本主義の終焉と歴史の危機」の中で
水野和夫さんは
『バブルの生成過程で富が上位1%の人に集中し
バブル崩壊の過程で
国家が公的資金を注入し
巨大金融資本が救済される一方で
負担はバブル崩壊でリストラにあうなどの形で中間層に向けられ
彼らが貧困層に転落することになります。』


新聞の週刊誌情報ですが
孫正義93億円・柳井正71億円・宮内義彦54億円
資産でなく年収だそうです。
中間層の年収400万円とすると
孫正義 2325人分
柳井正 1775人
宮内義彦 1350人
1000人以上の従業員がいれば大企業ですから
驚くほどの収奪です。

年収の格差は10倍程度がいいとよく言われます。
ある程度差はないと励みになりませんから
末は博士か大臣か
因みに首相や国会の議長・最高裁判長の年収は4000万円
神戸市長で2000万程度です。
それ以外に収入はあるとは思いますが
こんな程度です。
格差がどんどん拡がって行ったのは
累進課税が低くなったためです。
むかしの様に90%だったなら
税金にとられるぐらいなら従業員に、会社の福祉に・・・
と思うはずですが

こんな思いに駆られる芝居でした。
会社の顧問弁護士さんが本来の姿に帰り働くもののために
櫻の華が満開の実家で皆さんと炊き出しに励む
最後の場面は美しかったです。



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