『同じ夢 観劇記』 

観劇記 あまご 
2016年3月4日 
 
          作・演出:赤堀雅秋  兵庫県立芸術文化センター

                   
劇作家・演出家、そして俳優の赤堀雅秋
舞台ではなんどか
「南部高速道路」「浮標」など長塚圭史作品でお目にかかりました。
現代作家として興味深い
はじめて触れる赤堀作品です。
そして田中哲司や木下あかりなど旬な俳優による舞台です。
私はテレビや映画はあまり見ないので
知らない俳優さんが多く
光石研や大森南朋や麻生久美子さんなど
かなり有名な役者さんだと後で知りました。
そんな訳でしょうか
会場は30〜40代の女性で一杯でした。
20代が少ないのが残念です。
昔は芝居と言えば10代後半から20代がほとんどでしたけど
今の若者は芝居どころではないのかもしれません。

あらすじです

舞台は東京近県の精肉店の古びた台所と居間
肉屋の主人昭雄(光石研)と娘・靖子(木下あかり)と舞台には現れない
寝たきりのじいさんの三人暮らし
じいさんのヘルパー美奈子(麻生久美子)と従業員和彦(赤堀雅秋)が働いています。
秀樹(田中哲司)は昭雄の幼馴染の文房具屋
ぼけの始まった母親の面倒が厄介で肉屋の台所に入りびたり

今日は昭雄の妻の10年目の命日
かってトラック運転手で昭雄の妻をひいてしまった
田所(大森南朋)は毎年焼香に訪れている。
娘・靖子は田所に気があるよう
昭雄は美奈子に気があるようです。
従業員和彦はたびたび店のお金を使いこんで昭雄に諌められ
行き場がないからただひたすらごめんなさいの繰り返し
和彦はとても優しい人
この芝居に出てくる人たちは
秀樹も美奈子も平凡でとてもいい人達ばかり
時々上空に自衛隊なのか米軍なのかヘリコプターが飛んで
その騒音が響き渡る

うるさい!

そして
どんどんどん!

壁を叩く音がする
ちょっと怯える美奈子

やがて日も暮れて
今夜は亡き妻の命日、夕食は出前の寿司
ところが寿司が待てども待てども届かない
なんどか催促の電話をするけど
届かない届かない!
「寿司を待ちながら」の不条理な会話が続きました
そして
一旦帰った美奈子さんも現れて
その夜は意外な展開に

どんどんどん!

そんなことがあるのか
驚きの事実
ありうるのかも知れませんね

だれもがどんな夢を抱いているのか
あり得る・あり得ない
現代の歪を感じる複雑な側面をもつ舞台でした。

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