『二人だけの芝居 --クレアとフェリース 観劇記』 

観劇記 あまご 
2016年4月15日 
東京芸術劇場 シアターウエスト 
 
          作:テネシー・ウィアムズ 演出:丹野郁弓
          奈良岡朋子 岡本健一

                   


岡本健一と奈良岡朋子
あっと驚く組み合わせです

4年前(2012年)テネシー・ウィリアムズの「地獄のオルフェス」で
演出家としての岡本健一さんを知りました。
その後
宮本研作「今ひとたびの修羅(2013年)」で渡世人・宮川
「炎 アンサンディ(2014年)」で狙撃兵等6役
 「トロイラスとクレシダ(2015年)」でギリシャの将軍ダイアミディーズ
悪役も演じられる役者さんですね。
シェイクスピアの「リチャード三世」とか「タイタス・アンドロニカス」
その悪ぶりもみたかった。

そして今回
奈良岡朋子さんを相手にどんな芝居になるか
見る前からワクワクしていました。

「クレアとフェリース」

あらすじは劇団民芸のHPから

ある劇団を率いる座付き作家兼俳優のフェリースと、スター女優の姉クレア。
旅公演のさなか二人は劇団員たちから狂人と決めつけられ
辺鄙な劇場に置き去りにされる。
残された彼らはやがて来るであろう観客のために
フェリース自身が書いた二人芝居を上演しようとする。
稽古をやり始めた二人だが、虚実の境界は脆くも崩れて……。
やがてリハーサルはのっぴきならない真実をあぶりだしていく。


芝居の稽古中なのか本番なのか
ここはホテルの中なのか劇場の一室なのか
私の頭は混沌としたまま芝居は展開してゆきました。
進むにつれ状況は明らかになるのですが
状況はどんどん暗くなり
辛い展開となります。

テネシー・ウィリアムズの『心の叫び』といわれるこの芝居
芝居を観ている途中で
ユージン・オニールの芝居を思い出しました。
アメリカの狂気

1時間45分の短い芝居でしたが
膨大な台詞の渦の中で
感情の出口を見出せないまま劇場をあとにしました。
東京観劇ツアー初日の夜です。
 

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