『アルカデア 観劇記』 

観劇記 あまご 
2016年4月16日 
 
          作:トム・ストッパード 演出:栗山民也 

                   
 東京観劇旅行二日目のソアレはトム・ストッパードの「アルカデア」です
大阪公演もありましたが
森ノ宮ピロティホール
折角ですからシアターコクーンで観たい
良き芝居は良き劇場で
贅沢ですが・・・
大阪には芝居専用の劇場が少ないのが残念です。

トム・ストッパード
日本でもなかなか上演される機会が少なく
私は昨年下北沢ON・OFFで
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」を
観たのが初めてです。
映画では「恋に落ちたシェイクスピア」がありました。

さて
「アルカデア」
出演者は寺島しのぶ、神野三鈴、趣里、初音映莉子と旬な女優さん
井上芳雄&浦井健治とミュージカル界の二大スター
堤真一も加わって
ミーハー度の高い舞台です。

座席は最前列下手
役者さんの表情がまじかに見えてドキドキしました。



あらすじはシスカンパニーのHPから

著名な詩人バイロンも長逗留している
19世紀の英国の豪奢な貴族の屋敷。
その屋敷の令嬢トマシナ・カヴァリー(趣里)は
住み込みの家庭教師セプティマス・ホッジ(井上芳雄)に付いて勉強中の早熟な少女。
しかし
天才的な頭脳の持ち主の彼女の旺盛な好奇心には
年上のセプティマスも歯が立たない。
あるとき
屋敷の庭園の手直し用の設計図に
トマシナは何の気なしにある書き込みをしてしまう。
その何気ない行動が
約200年後の世界に大きな波紋を広げていくとは・・・。
そして
約200年の時を経た現代。
同じカヴァリー家の屋敷の同じ居間に
過去の屋敷や庭園
とりわけバイロンにまつわる謎を熱心に調べる
ベスト・セラー作家ハンナ(寺島しのぶ)の姿があった。
そこに
バイロン研究家のバーナード(堤真一)が加わり
ライバル同士の研究競争が過熱!
その争いは、カヴァリー家の末裔ヴァレンタイン(浦井健治)
クロエ(初音映莉子)兄妹を巻き込み
やがて・・・。 
<ひとつの場所=同じ屋敷の同じ場所>を媒介として
繋がっていく二つの時代と人々。
それぞれの時代に生きる人々のドラマは、
クライマックスへと加速度を増しながら展開していく。
19世紀のトマシナと家庭教師セプティマスの「歴史の中に消えていった過去」は
現代に復元されるのか?
現代の研究者バーナードとハンナを取り巻く人々の思惑
そして2人が追究する真理への情熱は? 



Arcadia. Photo by Carol Rosegg.
(http://thebroadwayblog.com/2011/03/31/610-everybody-march)

今回の舞台装置もブロードウエイとほぼ同じ
中央に大きなテーブルがあって
高い天井・大きな窓
下手に令嬢トマシナ・上手に家庭教師のセピティマス
中央は伯爵夫人レディ・クレーム
セピティマスはレディ・クレームに憧れています。

さて

19世紀の貴族の館から始まった舞台は
突如現代に
伝統的な貴族の館ですから昔も今も装置は変わりません

時代が転換したことに
とっさには
理解できません

英国の偉大な詩人バイロンが住んでいたとか
熱力学第二の法則
フェルマーの最終定理とか
エントロピー・・・昔ならったな〜
だれとだれとが恋仲で

天才少女トマシナが庭園の設計図に悪戯書きしたことが
後世になって問題となる
ふとした冗談が後の夜には研究対象に
虚位と真実&混沌と法則



最後の場面は19世紀と現代が同時進行
写真左は現代(浦井健治と寺島しのぶ)
写真右は19世紀(趣里と井上芳雄)
うぅ〜ん
トム・ストッパードの世界
ラストの過去と現在の二組のワルツは素敵でした
寺島氏しのぶ・堤真一 & 趣里・井上芳雄
アルカデアの世界です!


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