『フォーカード 観劇記』 

観劇記 あまご 
2016年4月16日
紀伊國屋ホール 
 
          作:鈴木聡 演出:宮田慶子 劇団青年座第221回公演 

                   
 演じあって、人は生きている。
だから 不幸になる。
だから 幸せになる。



東京観劇ツアー二日目は
作:鈴木聡 青年座のフォーカードです。
神戸出身の野々村のんさんがフォーカードの一員です。
のんさんの母上を通じて申し込みました。
私たち三人に女優の伊東由美子さんも加わってフォーカード
劇場は新宿紀国屋ホールF席14番というグッドな席です

あらすじはパンフレットから
 
劇団「新流」の俳優養成所を卒業した
横山千鶴(増子倭文江)
谷義人(横堀悦夫)
中込彰(大家仁志)
神崎由佳里(野々村のん)の同期四人。
さる理由から四人は劇団員に昇格できず
今はそれぞれ違う道を歩いている。

ある日、千鶴の呼びかけにより二十数年ぶり
馴染みの喫茶店で四人は再会した。
それは、ある人物から大金を騙し取るために
ペテンの片棒を担がないかという相談だった。
「ペテンは演技力
かつて養成所のフォーカードと呼ばれた四人が集まれば
必ず成功する!」
不審と不安が渦巻く中、
三人は各々の事情でこの提案を受け入れた。

母と息子、先輩と後輩、男と女…喫茶店に集う人々。
3組のペアの人生ドラマと交錯しながら
ペテンの計画は進み、その稽古にも熱がこもる。
そして、ペテン本番の日。
四人(フォーカード)はポーカーフェイスで大勝負に出るのだが…。

おもしろかったですね〜
4人の真剣な演技が笑いを誘います。
観客をなんとか笑わそうとする喜劇より
こんなコメディが好きです!


作家の鈴木聡は「博報堂」に勤務するかたわら
劇団「サラリーマン新劇喇叺屋」(現・劇団ラッパ屋)を結成
芝居とサラリーマンの二束草鞋を履きながら活躍されていました。
現在は芝居に専念されていますが
博報堂で磨かれたセンスは抜群
サラリーマンの悲哀をも知る作家・演出家です。

鈴木聡作品を舞台で見るのは初めてですが
雑誌「悲劇喜劇」の2015年9月号
「ポンコツ大学探検部」読みました。
たのしみな作家です。

それにしても元役者役の4人は呼吸がピッタリ合っていました
さすが青年座です


パンフレット 稽古場風景

増子さんは『ボビー・フイシャーはパサデナに住んでいる』以来です
ガラッと雰囲気が変わり上手い女優さんだ
と改めて思いました。
野々村のんさんも活き活きとしていてよかったですね
「パパのデモクラッシー」は少々中途半端な感じがしていただけに
とてもよきアンサンブルだったと思いました。
喫茶店のマスター(名取幸政)やアルバイト(小暮智美)
そして近所のおばあさん(五味多恵子)もいい雰囲気でした。

多分青年座ですから鈴木聡作品は
これからも続くと思いますが
とても楽しみです。

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