『たとえば野に咲く花にように 観劇記』 
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観劇記 あまご 
2016年4月28日 
西宮芸文 中ホール 
          作:鄭義信 演出:鈴木裕美 制作:新国立劇所 
                   


鄭義信の三部作の一つ
最初みた「焼肉ドラゴン」には感動しました
作者のエネルギー
役者達のエネルギー
日本語と韓国語が飛び交うすざましい舞台
父親を演じた申哲振、母親を演じた高秀喜は素晴らしかった
スタンディングオベーション
鳴り止まぬ拍手
あの時の感動は忘れられません。

その後三部作の一つ「パーマやスミレ」
文学座による「大空の虹を見ると私の心は」
今一つの感
作品ではなく韓国の俳優さんが上手かったのか・・・
鄭義信に不信を抱きながらの
折角だから私にとって三部作の最後の作品


劇場に入ると立派なセットが眼に入りました
シャンデリヤが輝き豪華な居間
これまでの戦後どさくさの庶民を描いた舞台とは程遠い
???
ここは戦後間もない時期のダンスホール
飛び交う飛行機の爆音
九州弁
荒木栄作詞・作曲の歌を思い出しました
筑紫野の緑の道をすすみゆく10万の戦列
赤旗は春風に はためき うたごえは空にこだます
基地板付の包囲めざし すすみゆく われらの戦列

・・・・
今の沖縄と同じように米軍基地への怒りを込めた戦いがあったところです
ここは朝鮮戦争の前線出撃基地となった旧板付空港
今の福岡空港の近くなのだと理解したのです
米軍相手のクラブなのだ

鄭義信はこんな芝居も書けるのか・・・
恥ずかしながら
また見直してしまいました

あらすじは新国立の案内から


1951年夏、九州F県の
とある港町の寂れた「エンパイアダンスホール」。
戦争で失った婚約者を想いながら働く満喜。
そこへ
先ごろオープンしたライバル店「白い花」を経営する康雄と
その弟分の直也が訪れる。

戦地から還った経験から「生きる」ことへのわだかまりを抱える康雄は
「同じ目」をした満喜に夢中になるが
満喜は頑として受け付けない。
一方、康雄の婚約者・あかねは
心変わりした康雄を憎みながらも、恋心を断ち切れずにいる。
そんなあかねをひたすら愛する直也。

一方通行の四角関係は出口を見つけられないまま、
もつれていくばかりだった......。


 
出演は

ともさかりえ 山口馬木也 村川絵梨 石田卓也 

大石継太 池谷のぶえ 黄川田将也 猪野 学 小飯塚貴世江 吉井一肇

今回は全員日本人ばかりでしたが
なかなか良かったです
ともさかりえも山口馬木也も好演
小飯塚貴世江がとてもいい雰囲気でうまい役者さんだな〜と感心しました

一緒に観てくれた しのさんも良かったっと

戦後70余年
戦争のこと基地のこと
思いめぐらすこと多々あり
たくさんの人たちに見てもらいたいと思いました。

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