『夢の劇 −ドリーム・プレイ− 観劇記』   西宮芸文中ホール
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観劇記 あまご 
2016年5月14日 
 
          作:ストリンドベリ 台本:長塚圭史 演出:臼井晃 振付:森山開次 

                   
ストリンドベリ&長塚圭史台本につられて見て来ました。
ストリンドベリ・・・日本では上演されることが少ない劇作家
私が知らないだけかもしれませんが
ストリンドべりといえば

仲代達也&栗原小巻による
「令嬢ジュリー」という芝居を観ました。
階級社会の呪縛から逃れ自由に生きようとする伯爵令嬢と
呪縛から逃れることが出来ない下男との恋の物語
最後は下男に見捨てられる
そんな悲劇だったような・・・

長塚圭史の作品で外れはない
確信を持って
劇場に入りました
すると
なんと豪華な舞台
まさに 夢の劇〜ドリーム



空中飛び交い舞い上がるダンサー達
天と地の世界

インドラ神の娘アグネス(早見あかり)が天から降りてくる
父インドラは娘に人間の苦悩を見るように地上に送り出す
地上には恋人を待ち続ける青年(玉置玲央)がいて
ビクトリア!

叫び
大きな赤いバラを差し出すと
舞台の奥で赤いドレスの踊り子がくるっと舞そして消える
意味は分からないけれど
夢の世界
舞台には開かずの扉があって
楽屋番の女(江口のりこ)
人間の悪行に悩まされる苦悶の弁護士(長塚圭史)
娘は弁護士としばらく暮らしまた旅に出る
猟師(森山開次)の生活などを人々の暮らしぶりを訪ね彷徨う

那須佐代子や山崎一達がしっかり脇を固め

華やかなバンド演奏と見事なダンス

天国から地獄
薄汚れた街に集いそこに生きてゆく人々

まるで最後の審判を見るような場面
キリストのように見えるのは森山開次
森山開次とダンサー達
サーカスのようなポールダンス
コンテンポラリー・ダンス
息詰まるような舞台です

インドラの娘が地上でみたもの
「人生って残酷!人間って哀れ!」

そして天空に戻るとき何を願ったか・・・
一世紀の時を越えたストリンドべりの想い
長塚圭史と臼井晃の想い

いまから2年前新国立劇場で
臼井晃演出によるシェイクスピアの「テンペスト」
美しい娘ミランダ(高野志穂)の台詞を思い出しました。

ああ、不思議!
こんなにきれいな生きものがこんなにたくさん。
人間はなんて美しいのだろう。ああ素晴らしい新世界
こういう人たちが住んでいるの!


インドラの娘が再度地上に降り立ったとき
ミランダのような気持ちになれたら嬉しいですね

本日のお芝居に付き合ってくれたしのさんには感謝です。
芝居は一人で見るとさびしいですから・・・

 

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