『水いらずの星』  壁ノ花団
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観劇記 あまご 
2016年9月4日 
伊丹アイホール 
          作:松田正隆 演出:水沼健 

                   


9月例会の会報誌を担当し関西の学生演劇のことを調べていたら
立命館の学内劇団「時空劇場」を立ち上げた
松田正隆さんのことが話題になりました。
例会にもなり映画にもなった「紙屋悦子の青春」という作品があり
私は残念ながら舞台も映画も見ていないのですけど
とてもよかったと評判高く
いつかDVDで観てみようかと思っていました。
すると
「水いらずの星」という松田正隆さんの作品が
アイホールで上演されることを知りました。
MONOの水沼健さんが演出
金替康博さんが出演
この機会を逃しては・・・と思い
見に行きました。

金替さんと内田淳子さんとの二人芝居

失業した夫を見捨て夫の同僚と駆け落ちしてしまった女
駆け落ち先の同僚の叔父に毎日のように体中を舐めまわされ妊娠
黙って堕ろそうとするが見つかり叔父夫婦から暴行をうけ
傷だらけの顔、手足、身体、まともなのは片目だけ
全身整形して美しいアンドロイド
今は
叔父の元から逃げ出して坂出のスナックで働いています。

そんな女の元にかっての夫が訪ねてくるのです。
夫は生きているのか死んでいるのか幽霊のような存在
幽霊でないのなら1万円で抱いてみろと
・・・
一転
幸せそうな場面
男の鞄の中から取り出した写真をみて和む女
スプーン曲げに興じる男
最後の1本が曲がらない
超能力は消えたのか?
・・・
けたたましく鳴り響く非常ベル
女の片目から流れ溢れる涙
それは世界を沈めて今やヒマラヤの頂上が3p程残すのみという
女は消えて眼玉だけに
男は眼玉をスプーンに載せて
水槽のような屋根裏部屋に一人立っている
ヒマラヤの頂上に眼玉を置きに行くという

SF状態・・・
未来は絶望なのか明るいのかわからない
60年代の小劇場の作品とはまた違った不思議な芝居でした。

内田淳子さん
サイモン・マクバーニー演出の「春琴」(2013年)でお会いしました
上手い女優さんですね。
金替さんのいつもながらの飄々とした演技と
からみあっていい舞台でした。
 

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