『この道はいつか来た道』 
Masao'sホーム  
観劇記 あまご 
2017年3月14日 
文学座アトリエ 
          作:別役実 演出:藤原新平 
                   

文学座80周年を記念しての
文学座有志による自主企画公演
主催は「この道はいつか来た道の会
自主公演とは・・・文学座ならではのユニークな企画です
文学座は昔から自由にもの言える土壌があると
演出家の西川さんが書かれていました(悲劇喜劇2016/11)
昨年12月に観た『かどで/舵』もまた
文学座80周年記念しての自主公演「アトリエの会」でした
こうした「会」が自由にできること いいな〜と思います



アトリエに入ると
中央にデッカイ電柱が1本
レトロな傘つきの電灯が垂れ下がっていました
電柱の横にポリバケツ
舞台はこれだけです
芝居が始まる前から
別役さんの世界にに引き込まれます

やがて
本山可久子さん扮するダンボールを抱えた老女が歌いながら現れて
ポリバケツにむかつてなにやら話しかけ
バケツを電柱の反対側におしやって
バケツのあったところにダンボールを敷きました
しばらくすると
金内喜久夫さん扮するゴザを抱えた男がやって来て
老女に話しかけ
老女の提案でダンボールの上にゴザを敷いて
二人はかしこまって座ります

やがて老女はバッグからお茶を出し
男はカバンから湯呑を出して
老女は干からびた塩辛をだし
お茶を飲みながら塩辛を舐めながら
語り始めます
突然
男は女にプロポーズ
実はこんなことを何回も繰り返している
ホスピタルから逃げ出した二人だったのです
二人は元々夫婦だったのかもしれません
こうしていつも新鮮に最後まで生きようとする二人

やがて
雪が降って来たのか
二人は寄り添いながら目を閉じて
電灯の灯りのなかに浮かぶ二人に雪はしんしんと降りそそぎ
灯りは消えて
45分の短い舞台が終わりました

文学座のベテランによる
意気の合ったみごとな二人芝居でした

明日から神戸の劇団「どろ」がこの芝居を上演します
観てください

 

ページTOP

Masao'sホーム 観劇記