『約30の嘘』 
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観劇記 あまご 
2017年4月15日 
 
          作:土田英生 演出:奥田啓人 
                    テアトル・エコー 5F稽古場公演

                   


テアトロエコーの5階稽古場公演
劇団の若手による公演ですから・・と
制作の白川さんはおっしゃっていましたが
私たちの観劇旅行も若手が加わり
小さな舞台で演じられる初めての舞台
とても楽しみにしていました。
稽古場にはいると四方が客席に囲まれた舞台
客席と舞台の仕切りがない
このような舞台を「アリーナ・ステージ」と呼ぶそうです。



緊張感溢れる舞台です。
暗闇の中から
ベンチで寝ていたボロボロの服を着ていた男が立ち上がり
暗転、再度明転、事務所の一室なのか喫茶店なのか
北海道行きのトワイライトエクスプレスの豪華?な客室なのか
良くわかりませんが
多分後者かな?
舞台はシンプルでテーブルと椅子とベンチがあるだけ
なにやらチームを組んで新しい仕事が始まるようです。
なんの仕事かよくわかりません。
言い合っている3人は宝田(大森袖香)と佐々木(徳永創士)
なだめ役は新しくリーダーになった久津内(栗野志門)
そこにベンチで寝転んでいた志方(松澤太陽)が加わり
この辺りから
もっとあとかな
彼らが詐欺師の集団で
新しい仕事をするために仲間を集めているのだということがなんとなくわかりました。
「約30の嘘」というタイトルだけが予備知識ですから
すべては疑いから始まり
最後まで翻弄されました。
ベンチから立ち上がった志方は腕に包帯を巻いており
スーツ姿
舞台の最初にボロボロの姿で現れた男と同一人物と気づくのも芝居の最後でした。
志方、宝田、佐々木、久津内はかってチームを組んだ優秀な?詐欺師集団でした。
3年前に稼いだ金を持ち逃げされ
当時のリーダーだった志方はやる気を失いチームは解散していたのでした。
その詐欺師仲間が久津内の呼びかけによって集まったのです。
言い合っていたのは
宝田と組んで仕事をしている横山(早川諄)を宝田がチームに入れたいというので
宝田に思いを寄せている佐々木が不満だったのです。
さらにややこしいことに
三年前
大金を持ち逃げした今井(小泉聡美)が現われメンバーに加わりたいと・・・
今井は彼女もまた持ち逃げした男にだまされたのだと告白します。
二人の新メンバーの加盟に不満たらたらですが
何処か頼りないけど愛嬌のある新リーダー久津内のとりなしによって
六人の詐欺師集団が発足します。
仕事の内容は
3年前と同様
トワイライトエクスプレスに乗って北海道に行き
偽物の羽根布団を売ろうという計画です。
一人当たり1千万以上の荒稼ぎです。
仕事は大成功!
帰りの列車もトワイライトエクスプレス
ところが浮かれている間に大金の入ったスーツケースが無くなってしまったのです。
犯人はだれか?
実は佐々木が志方に持ち逃げを提案していたことや
志方は今井と別につるんでいたことも
真実なのか嘘なのか次々と仲間の関係が明らかにされ、やがて暗転・・・
暫くして灯りが点くと
舞台は一面の衣類や靴や生活用品で敷き詰められていました。
観客席の足元に拡がる遺品
いつのまにセットされたのか驚くと同時に
「あっ!津波が起きたのだ!・・・」
舞台の初めのボロボロになった男の姿と重なるには少し時間がかかりましたが
繋がりました。
一面に敷き詰められた衣類は

深津篤史演出でみた
「象」
原爆で焼け野原となった舞台と重なりました

土田さんの不思議な世界

テアトルエコー若手による生き生きとした芝居と斬新な舞台装置
私たち観劇メンバーも大満足でした。

近々
岡山で男版「おかしな二人」の公演があるそうです
女版は見ました
とても楽しい舞台でした
男版もとてもいい仕上がりだそうです
岡山公演は
6/5.6.8.9.10.11
楽しみです
 

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