『鳩に水をやる』 
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観劇記 あまご 
2017年12月16日 
 
          作:ノゾエ征爾 演出:生田みゆき 文学座12月アトリエの会



〜あらすじ〜 (文学座HPから)
『仏が、飛んだ。仏は、もちろん死ぬつもりで飛び降りたわけだけど、飛び降りた直後から命が惜しくなった。
言い知れない後悔と恐怖にかられていたが、あまりに地面が遠いので、
今度は早く地面につかないかと待ちわびだす。』(台本より)

年老いた童話作家の男と、突然訪ねてきた若い女。
海辺のマンションに配達にきた男と、ドアに背をあて神妙に立つ女。
瀬戸際に立たされた男と女。

一秒、一日、一年・・・。
夢と現実の間をさまよいながらも、そこに「実在」するものは何なのか――。
さまざまな時間と記憶の中で繰り広げられる、
おちゆく人々のおちないものがたり。 2時間10分

老いた男(外山誠二)と若めの女(宝意紗友莉)
 
ドア前の女(増岡裕子)と配達の男(相川春樹)

瀬戸際の男(上川路啓志)と瀬戸際の女(塩田朋子)

3組の男女がオムニバス風に
時には入り乱れて織りなす
時空を超えた物語


文学座2018カレンダーより
若手劇作家のノゾエ征爾さんと若手演出家の生田みゆきさん
斬新な芝居でした
私の感性ではとても理解できる芝居ではありませんが
ときどき分けの判らない芝居を観て
楽しんでいます
登場する俳優さん達の動きが凄い
若手の相川さんは「かどで」「中橋公館」でも印象深く
楽しみな役者さんです

芝居のテーマは漱石の「夢十夜」からの発想だそうです
一瞬の出来事から少しずつ時を経た長い時空の出来事
漱石の第一夜は百年待ったお話し
それは星が流れるような一瞬の出来事だったのかもしれません
そして
今回の芝居は第七夜からの発想
無限の後悔と恐怖を抱きながら船の舳先から落ちてゆく
一瞬の出来事かもしれませんが
長い恐怖の時間だと思います
時間の尺度
宇宙の動きと人たちの動き
そして小さな生命の動き
不思議な世界を覗いたということでしょうか

そういえば二年程前にアトリエで
『20000ページ』を観ました
これもまた不思議な世界でした
膨大な本に囲まれ身体にキノコが生えてしまった外山誠二さん
思い出しました

このような刺激的な芝居が関西でもみれるといいのですが
次回も楽しみにしています


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