『夏・南方のローマンス』 神と人とのあいだ<第二部>
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観劇記 あまご 
2018年3月3日 
 
作:木下順二
演出:丹野郁弓
劇団民藝 紀伊国屋サザンシアター

       第二部 夏・南方のローマンス あらすじ (パンフレットより)
 敗戦数年後のとある公園。ある上等兵が南方の島で絞首刑を宣告された。愛人であった女漫才師は、ある日ついに彼の妻に会いに行く。折から通りかかった戦友たち。なぜ上等兵は殺され、戦友たちは助かったのか。やがて明らかにされていく南方でのBC級戦犯裁判。島民虐殺を命じた参謀中佐の刑が軽く、通訳だった上等兵が「人道に対する罪」を問われ、
極刑となる。悪い夢だったとつぶやく戦友たち。夢ですまされるかと、かみつく女漫才師。もう何もかも忘れたい、という上等兵の妻。いったい誰が誰を裁いたのか? やり場のない憤りに身をもてあまし一人残された女漫才師の心に、上等兵はたしかに生きつづけているのだった……。
 

舞台写真はパンフレットより

マチネの第一部『審判』に続いて
ソアレは第二部「夏・南方のローマンス』
この二部作は『審判』(1970年初演、2006年再演)と
『夏・南方のローマンス』(1987年初演、2013年再演)
とはこれまで独立して
別々にしか上演されてきませんでした。

この二部作が連続上演されると聞き
神戸からも6名が参加しました
民藝の高本さんのお話では
第二部の舞台では一面に砂が敷き詰められ
舞台装置の転換も昼と夜との短い間におこなわなければならない
大変な舞台になるとのこと
これもまた楽しみです


公園の砂場が舞台です(パンフレットより)

戦場である過去の出来事と
現在(戦後まもなく)の東京での出来事が交互に展開します

A級戦犯を裁いた東京裁判も勝者の論理で裁いた
問題の多い裁判でしたが
現地で行われたB・C級戦犯に対する裁判は
かなりいい加減な裁きだったようです

島の人々と友好を重ねてきた男9(塩田泰久)が処刑になり
島民虐殺を命じた参謀中佐が助かった
こんなことはよくあることですが
やはり怒りが込み上げてきます
いつの世も抜け目のない奴らが大勢います
男9の妻(中地美佐子)と
男9のかっての恋人であった漫才師(桜井明美)さん
好演でした



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