『岸リトラル』 
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観劇記 あまご 
2018年3月17日 
 
作:ワジディ・ムワワド 訳:藤井慎太郎 演出:上村聡史
 世田谷パブリックシアター


2014年10月衝撃の舞台『炎 アンサンディ』に続く
 作:ワジディ・ムワワド 演出:上村聡史のコンビによる第2弾
岡本健一・栗田桃子さんも引き続き登場です
芝居はいまだに内戦下にあるレバノンを舞台にした
ある意味では難解な芝居です
ある意味で難解というのは
劇中劇であり
亡霊や死人があたかも生きているように語る
とても入り組んだ芝居だったからです
3時間半にも及ぶ大作ですが
段々と芝居の仕組が理解できるようになると
とてもコミカルな展開と重なり
レバノンの現実の厳しさの中にも人々の営みが感じられ
暖かい気持にもなってきます
死んだ親父(岡本健一)が笑わせてくれます
死んだ親父の埋葬場所を求めて故郷をさ迷う息子(亀田佳明)は
戦火を逃れカナダにやってきた
ムワワドの祖国(ワタン)に対する想いなのでしょう
『炎 アンサンディ』と通じるものがあります
中嶋朋子さんの歌には聞き惚れました
栗田桃子さんの台詞回しはいつもながら感心します
佐川和正さんのピエロや大谷亮介さんの亡霊騎士には
コミカルな好い雰囲気を感じました
ワジディ・ムワワド&上村聡史のコンビによる
第3弾を期待します

ストーリーはチラシからの引用です
青年ウィルフリードはある夜
ずっと疎遠だった父イスマイルの死を突然知らされる電話をとった。
彼は死体安置所で変わり果てた姿の父親と対面する。
ウィルフリードは自分を生んですぐにこの世を去った母ジャンヌの墓に
父の亡骸を一緒に埋葬しようと決意するのだが
母の親族たちから猛反対される。
どうやら
彼の知らない父と母の関係があるようだ。
その語られなかった封印された父母の過去とは何なのか? 
突如起き上がった父の死体とともに
内戦の傷跡がいまだ癒えぬ祖国へ向けて
奇妙な父子の旅がはじまる……。

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