『ヘンリー5世』 |
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Masao'sホーム 観劇記 あまご 2018年5月19日 |
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芝居を観終えてから一月近く経ちました だいぶ印象も薄れ もう一度戯曲を読み直しながら 思い出してみます あらすじは新国立劇場のHPから 即位したばかりのヘンリー五世の宮廷にフランスからの使節が訪れる。 さきごろヘンリーの曽祖父エドワード三世の権利に基づき要求した公爵領への返事を フランス皇太子から遣わされたのだ。 そこにはヘンリーの要求への拒否だけではなく 贈呈として宝箱一箱が添えられていた。 中身は 一杯に詰められたテニスボール。 それは 若き日のヘンリーの放埒を皮肉った 皇太子からの侮蔑だった。 それを見たヘンリーは ただちにフランスへの進軍を開始する。 テニスボールの贈り物 テニスはあの時代にもあったのですね そういえば 何年か前みた文楽 『不破留寿之太夫』 作:河合祥一郎 テニスの場面がありました 錦織君の当時の活躍をかな?と 思っていたのですが ハル王子のことだったのですね ヘンリ4世に出てくるハル王子(浦井健治) フォルスタッフやピストル(岡本健一)達と遊び回り 今や堂々たるイギリス王 そんなイメージを抱いていたのですが ハル王子からヘンリー王への 成長が感じらなかつたのが残念でした 戯曲にはヘンリー王自らの戦闘シーンはなかった?と 思うのですが結構ありましたね 観客に向けてのサービスでしょうか ハル王子にはもっと知的な残忍さがあってもよかったのでは・・・ 亡くなった中島しゅうさん ヘンリー4世の芝居では 王位を奪ったことに対する辛さが滲み出ていました シエークスピア劇の面白さには 王侯貴族のストーリとは別に庶民の物語があります 当時のグローブ座の観客の大部分は庶民で 客層のことなる観客を舞台に引き付ける必要がありました 庶民にとっては王子や王妃への憧れだけでなく 自分たちに一番近い立場の役者達の演技も楽しみでした ヘンリー4世では サー・フォルスタッフと仲間の悪党たち ピストルやパードルフそして 居酒屋のおかみクィックリーに娼婦ドルたち ハル王子の遊び仲間達が活躍します 父ヘンリー4世の死と共に悪友たちと手を切ったハル王子は 放蕩息子から変身を遂げ 立派な国王ヘンリー5世となります ヘンリー5世はフランス進軍を開始 ロンドンの居酒屋ではピストル、バードルフ、ネル、ニム、小姓が 死んだフォールスタッフを偲んでいます かつての放蕩無頼の暮らしを回想 やがて ピストルたちもフランスへ出陣 ハーフラーの戦いに勝利 バードルフとニムは教会で盗みをはたらき捉えられます ヘンリー五世にとってはかつての遊び仲間 首つりを宣告する微妙な気持ちが いま一つの感 芝居ではヘンリー5世のフランス出征に連れ立った 下士官たちの会話が愉快でした 写真はエンタメ特化型情報メデアスパイスから 左から騎士ジェーミー(内藤裕志)、騎士ガワー(吉村直) 騎士マックモリス(櫻井章喜)、騎士フルーエリン(横田栄司) アイルランド隊のマックモリスは東北弁 スコットランド隊のジエーミーは薩摩弁 ガワーは標準語でしたからイギリス隊 ウエールズのフルーエリンのなまりは? ヘンリー4世によってイングランドがほぼ統一されたこと 4人の会話から判ります 舞台装置は新国立ならではのシンプルにして豪華 ヘンリー4世の舞台と同じように木造りでした 美術は島次郎さん 木造建築に対する想いがあるのでしょうね 今回の舞台 残念だったのは 出演予定の大家仁志さんが亡くなられたことです 代役が櫻井さんかな そして文学座の大滝寛さんが怪我で浅野雅博さんに 鈴木瑞穂さんも体調不良で田代さんに アクシデントが続きました 新国立劇場の次期芸術監督は 8年間芸術監督を務められた宮田慶子さんに代わり 小川絵梨子さん 宮田慶子さんお疲れ様でした 西宮芸文にもたくさん持ってきていただき感謝です 今月の西宮芸文 井上ひさし作『夢の裂け目』 楽しみにしています |
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