エンジェルス・イン・アメリカ

『エンジェルス・イン・アメリカ　』　至福千年紀が近ずく
Masao'sホーム　観劇記　あまご　 2018年6月10日
作：トニー・クシュナー　演出：マリアン・エリオットＫＯさんに勧められて神戸アートビレッジセンターのナショナル・シアター・ライブ病み付きになりそうです先々月のシエークスピア劇『ハムレット』と『お気に召すまま』に続き『エンジェルス・イン・アメリカ』 1990年代のアメリカ演劇を代表する作品で９０年代でトニー賞とピユーリッツアー賞を同時に受賞したのはニール・サイモンの『ヨンカーズ物語』の２作品だけだそうですこの芝居のサブタイトルにはチラシにもあるように A Gay Fantasia on National Themes （国家テーマの上の同性愛者のファンタジア）副題が付けられています１９８０年代のアメリカはレーガン大統領によるレーガノミクスにより軍拡で財政赤字が深刻化し社会福祉予算が削られ格差がどんどん広がる今のアベノミクスの同じように庶民にとっては絶望的な時代でしたそんな時代を生きた同性愛者達のファンタジーなのかもしれません芝居の最後には天使が降臨しますそして第２部では天使によって天国につれて行かれたゲイが天国に留まるか地上に戻るかの選択を迫られそうです第1部の上演時間は3時間58分（15分の休憩２回）第２部も４時間28分の壮大なドラマですロイヤル・ナショナル・シアター（Royal National Theatre）はイギリス・ロンドンのサウス・バンクにある国立劇場でロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロイヤル・オペラ・ハウスと共にイギリス政府が出資する三大舞台芸術劇場です　劇場内には３つの劇場がありオープンステージで1100名収容のオリヴィエ・シアタープロセニアむ形式で900名収容のリトルトン・シアター劇場空間の形式が自由に変わるブラックボックスタイプで 300名収容のコッテスロー・シアターがあります今回の芝居はリトルトン・シアター物語ルイス（ジェームス・マッカードル）写真左は裁判所に勤めるワープロ係彼はユダヤ人のゲイでプライヤー（アンドリュー・ガーフィールド）と同棲していますプライアーはエイズに侵されていることをルイスに告白プラーヤーの病状は悪化し入院することになるがルイスは苦しみながらも彼の元を去ります一人きりになったプラーヤーの病室には元恋人のベリー（ネイサン・スチュワート）が訪ねてくるようになり周りの暖かい看護もあり一命を取り留めますやがて彼の元に天使が降臨広い舞台には3つの盆があり 3つの場面が重なるように展開します写真右：ジョー（ラッセル・ト－ヴィ-）はルイスと同じ裁判所の司法官彼は上司のロイ：写真左（ネイサン・レーン）からワシントンでの重要なポストを提示されるが妻と相談すると言って栄転の話を一旦保留しますロイは大統領ともコネがある法曹界の大物で相当のワル 1950年代「マッカーシー旋風」が吹き荒れた頃「赤狩り」の急先鋒に立ったユダヤ人でローゼンバーク夫妻を死刑に追い込ん検察官でした終幕にローゼンバーク夫人の霊が現われロイもまたゲイでありエイズに感染し発病したロイをローゼンバーク夫人は何故か病院に送り込みますジョーはモルモン教徒で比較的リベラルな共和主義者彼の妻・ハーパー（デニス・ゴフ）は精神安定剤を常用していて時折幻覚に襲われます夫のワシントン行きには反対舞台は回りルイスとジョーが出会い二人は急速親しくなって行きますジョーは苦しみの中で自分がゲイであることを意識し遠い故郷にいる母に告発舞台は一面の雪景色ジョーの妻ハーバーは幻想の中で南極を旅している旅の案内人はベリーズ同時にジョーの母もニューヨークに吹雪のニューヨークをさ迷いおばばと遭遇ファンタジックな世界やがてジョーの病室に天使が降臨しなんのことだか解らなかったままスタンディングオベーションが沸き起こり第一部の舞台が終わったのだとカーテンコールの歓声を聞きながら納得しましたある意味ではとても難解な芝居厳しい現実にあった事件とファンタシックな世界両者とも素直に受け入れるには苦しいしかし正直凄い舞台だと痛感しました役者の身体表現力の素晴らしさ舞台装置の転換の見事さ圧倒されるものがありました来週の第二部も必見です National Theatre Live ロンドンまで行かなくても世界最高の芝居にふれることができますね次々回はハロルドピンターの「誰もいない国」これも楽しみな芝居です YouTubeで見てください This is Angels in America \| 2018 Tony Awards https://www.youtube.com/watch?v=rLkWPL0d6po












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