『八月に乾杯』 
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観劇記 あまご 
2018年9月24日 
 


久々のアルブーゾフの作品
1989年7月の「イルクーツク物語」の再演から
ほぼ30年ぶり
私がアルブーゾフの作品と出会ったのは
まだ19歳の学生の頃
学友に頼まれて
学生演劇祭のプロンプターとして参加した
「私のかわいそうなマラート」
芝居の中でマラートが叫ぶ
「この世でつくられるもっともすばらしいものの一つだ!
六つの橋は―人生の6頁だ

この台詞に影響されたかどうかは定かではないが
私のその後の人生は橋と関わってきた
アルブーゾフは思い出の作家だ
本棚を除いたら
「私のかわいそうなマラート」 「イルクーツク物語」をはじめ
「父と子」 「ターニャ」の戯曲があった
これらの物語は云わば青春もの
社会主義建設を賛歌するような作品で
ソ連の社会主義が崩壊した今では
ほとんど上演されることが無くなった
しかし
この芝居は年老いた二人の男女が
自分たちの人生を振り返り
様々な出来事
戦争で命を奪われた妻のこと
戦争で亡くなった息子のこと
暗くて重い人生を乗り越えて
ふたたび生きようとする物語

思わずほろりと涙が流れました
岩崎加根子さんと小笠原良知さん
二人の名優による
これまた思い出の芝居となるであろう
舞台でした

あらすじは俳優座のHPから

1968年北国の夏の海辺に
突然出現した正体不明の女
煙に巻かれてしまう保養所の医師。
二人が相手のことが気になりだして言葉を交わすようになったのは
しばらくたった音楽会の帰り道のことだった。
二人は若くない。
それが惹かれあった。
普通の幸せをあまり貰っていなかった二人。
ひとりぼっちだった二人。
他の何百万人の男と女のように戦争で
手ひどい仕打ちを受けた二人の慎ましいお話。
そして
二人が別れる時がおとずれ
八月に乾杯と―――






 

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