『誤解』 
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観劇記 あまご 
2018年10月21日 
新国立劇場 小ホール 
作:アルベール・カミュー 翻訳:岩切正一郎 演出:稲葉賀恵



あらすじはパンフレットから
ヨーロッパの田舎の小さなホテルを営むマルタとその母親。
今の生活に辟易としているマルタは太陽と海に囲まれた国での生活を夢見て
その資金を手に入れるため
母親と共犯してホテルにやってくる客を殺し
金品を奪っていた。
そこに現れる絶好の的である男性客。
いつも通り殺人計画を推し進めるマルタと母親だが
しかし
彼には秘密があったのだった......。



私の母は戦争で田舎町に疎開し
亡くなるまで田舎で暮らしていた
生まれ育った都会に憧れ
唯一の楽しみは読書だった
田舎を出て
太陽と海に囲まれた神戸で暮らし始めた私は
時折田舎に帰ると
何処か他人のような
たまたま訪れた
旅人のような気持ちでいることが多かった

何十年ぶりかに帰ってきたジャンが
妹のマルタや母に
他人のようなふりをして再会する気持ちも解らなくはない
誤解はちょっとした冗談から始まった
悲劇ではあるが
そこに
不思議な空気が流れていた
少しばかり暖かい空気

カミューの作品は若き頃読んだけど今はすっかり忘れてしまった
「異邦人」 「シーシュポスの神話」 「ペスト」
この戯曲は今月号の「悲劇喜劇」に掲載されていた
合わせ読んで
秋の夜長を過ごしてみたいと思います

舞台は新国立の小劇場
簡素なベッドと幕だけ
疑問・不安・混沌
暗明
緊張感ある不思議な舞台でした


おけび感激!観劇レポから
詳しくは

https://okepi.net/kangeki/1390


演出は文学座の稲葉賀恵さん
稲葉さんの初演出の「十字軍」は衝撃の舞台でした
そして「野鴨」もよかったです
楽しみな演出家です
そして
小川絵梨子演劇芸術監督のオープニング作品
自由に伸び伸びと
国内外の斬新な芝居を
新作から古典まで
これからも期待しています


ユーチューブ
https://youtu.be/MT4bU9uxE5I?t=3
配役
母:原田美枝子
マルタ:小島 聖 
ジャン:水橋研二 
マリヤ:深谷美歩 
年老いた使用人:小林勝也

小林勝也さん
不思議な存在感がありました
マリヤ どうか助けて!
老人 嫌です!

 

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