現代能楽集Ⅸ『竹取』 
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観劇記 あまご 
2018年10月23日 
 
世田谷パブリックシアター芸術監督・野村萬斎が
古典の知恵と洗練を現代に還元すべく立ち上げた
「現代能楽集」シリーズ第9弾『竹取』
これまで
川村毅、鐘下辰男、宮沢章夫、野田秀樹
倉持 裕、前川知大、マキノノゾミ
日本の演劇界を代表する劇作家達が
能の物語に着想をえて
現代能楽集を生み出しています

三島由紀夫の作品に「近代能楽集」があり
『卒塔婆小町』 『葵上』 『斑女』など8作品があります
2014年に現代能楽集Ⅶ「花子について」を観ました
その舞台は
能(葵上)
狂言(花子)
三島由紀夫(斑女)
3作品
萬斎さんは三島由紀夫に触発されたのかもしれません
三島由紀夫は「近代能楽集」の成りたちは
以前イエーツの
能の影響を受けた詩劇を好んで読んだことや
幼児から能が好きなことや
さまざまな動機に促されて
こういうものを試みる気になった


書かれていました

ロシアのメイエルホリドは
演劇は演劇を否定することから始まり
それが芸術であり個性的な人間の証しだと言っています
萬斎さんも同じように
新しい演劇を追求されているのだと思います

さて今回は
かぐや姫で有名な「竹取物語」から
小林聡美&貫地谷しおり
能楽師の佐野登
そして
ダンサーたち
古典と現代
能とティンパニーの組み合わせなど
異種の文化が入り乱れ昇華して行く
見応えのある舞台でした




今は昔
竹取の翁と言ふものありけり
竹取の翁が
光る竹の中に見つけた手のひら程の小さな小さな女の子。
驚異的なスピードで成長しては
やがて帝の寵愛をも受ける美しい娘へと変貌する…。 
瞬く間に人々を魅了し
風のように地上を去っていった〝かぐや姫〞とは?

世田谷パブリックシアター現代能楽集Ⅸ『竹取』 より


世田谷パブリックシアター‏ @SetagayaTheatre · 10月8日
【現代能楽集Ⅸ『竹取』 舞台写真&初日コメント】より



舞台装置は実にシンプル
天井から幾重ものゴムひもが吊り下げられ
ダンサーたちは紐を移動させ
複雑な糸の空間を紡いでゆきます
見事な幾何学空間
ティンパニーの演奏に合わせた
素晴らしい動きです
見応えありました
能と現代音楽・コンテンポラリーダンスの
見事なアンサンブルでした

なぜ今竹取?
公家や帝を袖にするかぐや姫
多々想うことありますよね




 

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