『イーハト−ボの劇列車』 
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観劇記 あまご 
2019年3月日 
西宮芸文 
作:井上ひさし 演出:長塚圭史


『イーハト−ボの劇列車』
6年前
同じく西宮芸文で見ました
演出は鵜山仁
賢治は井上芳雄
父は辻萬長
母と未亡人は木野花
赤い帽子の車長はみのすけ

二度も見た芝居だから
もういいかな〜

思う反面
演出が長塚圭史と聞いて見たくなりました
観ていると
重なる場面があって
赤い帽子のみのすけさんが浮かんだり
未亡人の木野花さんと村岡希美さんが重なったり
不思議な気持ちになりました

新鮮だったのは
稲垣未亡人を審判に父と息子が論争する場面
父を演じた山西惇と未亡人村岡希美さんとの掛け合いが
見事というか見応えがありました



写真はステージナタリーより
序幕の「農民たちによる注文の多い序景」
■ストーリー
―これは井上ひさしが愛してやまない日本語に
不思議でかわいらしく、輝くような生命を与えてくれた
ある岩手花巻人の評伝劇―

詩人にして童話作家、宗教家で音楽家、科学者で農業技師
土壌改良家で造園技師、教師で社会運動家。
しなやかで堅固な信念を持ち、夭逝した宮沢賢治。
短い生涯でトランク一杯に挫折と希望を詰め込んで
岩手から東京に上京すること九回。
そのうち転機となった四回の上京を、あの世に旅立つ
亡霊たちや自ら描いた童話の世界の住人と共に
夜汽車に揺られてダダスコダ、ダダスコダ。
行きつく先は岩手か東京か、星々が煌めく宇宙の果てか...。
「世界ぜんたいが幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」
そう信じた宮沢賢治が夢見たイーハトーボは果てしなく遠かった。

これからの人間はこうあるべきだという基本。
その見本のひとつが宮沢賢治だという気がしてなりません。
必要以上に賢治を持ち上げるのは避けなければなりませんが、
どうしてもそんな気がしてならないのです。
――――井上ひさし
こまつ座公演情報より


また
長塚圭史さんが月曜インタビューで
物語は宮沢賢治の4回の上京時の列車の中と東京での滞在先を舞台に進み
22歳かた35歳までの生きざまを浮き彫りにします
大きな特徴は
「この世から旅立つ」
農民たちが演じる劇中劇として
宮沢賢治の生涯が描かれることです
「劇の構造としてはちょっと変わっています。
冒頭から賢治らを演じる農民たちが登場するわけで
賢治そのものがいるわけではありません
評伝劇でありながら
登場するのは
貧しさ
やるせなさを抱えながら死んで行く農民たちです
劇の根底に流れるその部分が
僕は好きですね」

終盤
農民たちの思いの詰まった
「思い残し切符」が「生きてゆく人間」に渡されます
「僕らもその切符をもらって生きているのかもしれない
そんなことを考えられれば
未来も少し明るい気分になるような気がします」


配役 
宮沢賢治
宮沢清次郎(父)
宮沢イチ(母)
宮沢とし子(妹)
福地第一郎(三菱社員)
福地ケイ子(第一郎の妹)
西根山の山男
なめとこ山の熊撃ち淵沢三十朗
人買いの神野仁吉(曲馬団団長)
人買いに売られた娘
風の又三郎らしき少年
背の高い、赤い帽子の車長
稲垣未亡人
伊藤儀一朗
新藤ふさ
前田六郎
女車長ネリ
松田龍平(井上芳雄)
山西惇(辻萬長)
村希美(木野花)
天野はな(大和田美帆)
土屋佑壱(石橋徹郎)
松岡依都美(松永玲子)
宇梶剛士(小椋毅)
福田転球(土屋良太)
中村まこと(田村勝彦)
紅甘(鹿野真央)
小日向星一(大久保祥太郎)
岡部たかし(みのすけ)
村岡希美(木野花)
山西惇(辻萬長)
松岡依都美(木野花)
中村まこと
天野はな(大和田美帆)
(  )は2013年の配役です
懐かしいです

調べてみたら1982年にも木村光一演出
高橋長英の賢治
父は佐藤慶 母は中村たつさんでした
4度目も観えるかな?

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