『はだしのゲン』 ミュージカル
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観劇記 あまご 
2019年4月11日 
ピッコロシアター 
原作:中沢啓治 脚本・作詞・演出:木島恭 作曲:林はじめ

いまむら小穂 / 有馬理恵 / 加藤頼 / 衛藤南 /
難波真里 / 中野亮輔 / 岡田基哉 / 吉田恵理子 /
山田健太 / 奥野雅俊 / 立直花子 / 前田昌明



原爆をテーマにした芝居は辛いものがありますが
やはり拡げ伝えて行く作品だと思いました
この芝居はニューヨークでも上演されたそうです
パンフレットに
ニューヨークタイムズの劇評が載っていました
原爆を落とした側のアメリカの記者が
このように書いているとは
少々驚きです
「この劇は原爆投下以前に、
敗戦が明らかになっているにもかかわらず
戦争を続行した日本政府に対する痛烈な批判とともに
原爆がもたらした広島の人々の苦しみと
痛恨の思いを訴えている
さらに
韓国人への日本の非人道的行為に強い自責の念を表明しつつ
戦争に反対した勇気ある父の言葉を通して
心ある日本人の価値観を
信念を持って立ち上がることを
家族を愛することの重要さを訴えている」


アメリカ側の原爆投下という
加害者責任はふれられてはいませんが
書かれていることについては
私も同感です
沖縄に米軍が上陸し
広島に原爆が投下されても
戦争を続行した日本政府に対しても
大きな怒りを感じます
もちろん
あのような残酷な原子爆弾を日本に投下した
今もなお世界各地で「平和維持」という名目で
人々を殺害しているアメリカにも怒りを感じます
アメリカ人は日本人をどのように見ていたのか
日本人は朝鮮人をどのように見ていたのか
上に立つ人たちは民衆をどのように見ていたのか
あれから74年経った今でも
あの時のような冷たい視線が
いまでもあるように思います

一番印象に残ったのは
朝鮮人の朴さんが栄養失調で危険な妊婦のゲンの母に
お米を届けてくれる場面です
涙が止まりません
人と人とのつながりはこのようなものだと思いました

終演後
有馬さんが出て来られましたので
挨拶
お元気そうでよかったです

役者さん達の動きもリズミカルで
訴えたい気持ちがよく伝わりました
いい芝居でした
 

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