『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』 NTL
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観劇記 あまご 
2019年4月19日 
KAVC 
作:エドワード・オールビー 演出:ジェームズ・マクドナルド
ハロルド・ピンタ劇場
上演時間210分(休憩2回)
第一場 たわむれ 12:40〜13:55  
休憩15分
第二場 夜祭り 14:10〜15:10    
休憩5分
第三場 悪魔ばらい 15:15〜16:10



出演:
マーサー(イメルダ・ストウントン):大柄、はしゃぎまわる性格の女、
52歳だがいくぶん若く見える。かっぷくはよいがデブではない
ジョージ(コンレス・ヒル):その夫、46歳。やせがた。髪は半白    
ハネー:(イモジェン・プーツ): 26歳、小柄のブロンド女。      
どちらかというと不器用 
ニック(ルーク・トレッダウェイ):30歳その夫。金髪          
体格も良いし美貌でもある
鳴海四朗 訳 世界文学大系95 現代劇集 筑摩書房より

ナショナルシアターライブの楽しみにしていた舞台です
エドワード・オルビーの芝居は「海の風景」に続いて2本目です
不思議な作家・不思議な芝居とは聞いていましたが
壮絶な葛藤劇でした
見終った直後も
真実なのか嘘なのか
なかなか見極めることができませんでした
息子のことは本当なの?

相棒に聞いたら
終幕のニックのセリフにあったでしょう
ニック どうやらわかってきた
ジョージ そうか?
ニック 分かってきたぞ、このいきさつが。
ジョージ お利口さん

ニック チクショウ、そういうわけか!

私は見逃していました
英語は分かりませんから字幕を追っていたつもりでしたが
ぼお〜っと観てたようです
あとで戯曲を読んだら
いろいろなことが解ってきました
解ったような気になった 
というのかな〜

戯曲を読んだら2幕の最後の台詞にもヒントがありました
しめた・・しめたぞ、マーサー・・・!
電報だ、電報が来たんだ・・・


芝居の要所要所にに伏線が敷かれているのですね
普通なら芝居を見終った後に
一気にモヤモヤが晴れるのでしょうけど
ぼお〜っと生きている私には
なかなか晴れません

ハネーも不思議でした
同じく
2幕の最後
ジョージとの会話のなかで
子どもなんか欲しくない・・・こわい!
と叫びます
そしてジョージは
そうだったのか

頷きます
しかし
マーサーが終幕で息子への想いを語るとき
ハネーは急に涙ぐんで
子供が欲しい!
と叫びます
これも不思議な展開ですが
オルビーは人間の心の中に相対するもの
激しく揺れ動き葛藤するものを
見事に描ききる劇作家なんですね
単なる
肉食系の女と草食系の男がぶつかりあっているのではなく
生きてゆくうえでの不安と希望が
闘っている
バァージニアウルフなんかこわくない
オオカミなんかこわくない・・・

なんとなく分かるような気持ちになりました

写真はGo LDN  ロンドンガイドHPから引用しました

https://www.standard.co.uk/go/london/theatre/whos-afraid-of-virginia-woolf-theatre-review-this-modern-classic-still-feels-lethal-a3680236.html


NTLの公式HPからも見れます

http://ntlive.nationaltheatre.org.uk/productions/ntlout24-edward-albee-s-who-s-afraid-of-virginia-woolf


コタさんも言ってましたが
NTLがあるからもうロンドンには行かなくてもいいかな
と思っていたら
やっぱり本物を見たくなった
と・・・・
私もちょっとそんな気になりそうです

次回は現代版リア
楽しみです

 

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