『日の浦姫物語』 こまつ座第129回公演 |
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Masao'sホーム 観劇記 あまご 2019年9月7日 |
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作:井上ひさし 演出:鵜山仁 紀伊國屋サザンシアター |
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『日の浦姫物語』は二度目の観劇です 前回は2012年に蜷川幸雄演出 日の浦姫は大竹しのぶ 稲若/魚名は藤原竜也 かなり派手な舞台だったような・・・ 今回は鵜山演出 日の浦姫は朝海ひかる 稲若/魚名は平埜生成 文学座の役者さん達が脇を固めて 見事なアンサンブルでした 説教聖が語るのは 数奇な宿命を背負った一人の姫の物語。 時は平安 奥州・岩城国の米田庄 主を失った葬式の最中 双子の兄妹 稲若と日の浦姫が仲睦まじく戯れている。 無邪気にはしゃぐその声には禁じられた香りがたちこめていた。 二人に訪れるたった一度の過ちが永遠の別れへと導くのを知らずに... チラシから この芝居 ギリシャ悲劇「オーデプス王」がモチーフかと思っていたのですが パンフレットにあった 『日の浦姫物語』ができるまで---井上ひさしの言葉より によれば ひさしさんが孤児院で学んだ聖人伝の中で 一番記憶に残ったのは グレゴリオ聖歌の制定者 教皇グレゴリウス1世の一生だったと 『ある王国の王位継承者の兄と妹が交わって その罪の子としてこの世に呱呱の声をあげた哀れな存在 それが成人して 知らずに実母の夫となる やがてすべてがあらわれ 彼は海辺の岩の上で17年間 懺悔の生活を送る そこを神に見いだされ 最高のキリスト者 地上における神の代理人すなわち教皇となり 死後 列聖される』 |
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十一段目 魚岩(さかないわ) この場面がまさにそうでした 奇跡が起こり ハッピーエンドを迎えたと思った瞬間 井上芝居は このままでは終わらない どんでん返し 登場人物たちが一人去り二人去り 沈鬱な状況の中で 幕が降りました この芝居の狂言廻しを務めた 説教聖:辻萬長さん 三味線弾きの女:毬谷友子さん 二人の演技が光ってました 人は罪を背負いながら生きてゆく 井上ひさしさんも毬谷友子さんの父・矢代静一さんも キリスト教徒 二人は友達だったそうです 演出の鵜山仁さんはパンフレットの中で 『人間の体の中には必ず相反する者 敵対する者が住んでいて その敵対心を どうしたら生きるエネルギーに転換できるか そこが問題だと思います』 と書かれていました 今の日本 葛藤が見えてこない 冷たい空気の流れの中に 時折 狂気の熱風が舞い上がっているように 感じることがあります 心の奥に潜む葛藤は愛おしさの源なのかも知れません |
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日の浦姫 稲若/魚名(太郎) 藤原成親 弓を轢く武者/探索武士 金勢資永 使役僧 郎党 旅人甲 金勢資忠 旅人乙 藤原愛子 藤原園子 少女 藤原宗親 三味線弾きの女/侍女月小夜/帝の姉 説教聖/おしょう/白河帝 |
朝海ひかる 平埜生成 石川武 沢田冬樹 櫻井章喜 栗野史浩 木津誠之 川辺邦弘 宮澤和之 越塚学 赤司まり子 名越志保 岡本温子 たかお鷹 毬谷友子 辻萬長 |
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