『異邦人』 
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観劇記 あまご 
2019年10月3日 
 
作・演出:中津留章仁
劇団民芸 紀伊國屋サザンシアター



あらすじは劇団HPより

 村本早苗と哲夫の夫婦は、ある地方の小さな町で洋食屋を営んでいる。お客は、近くの工場の従業員や近隣の農家や勤め人といった庶民的なお店。娘の友紀は役場に職を得て、息子の涼太は見習いコックとして哲夫の下で修行中だ。
 客足が絶えない店だったが、最近オープンしたばかりのネパール人カレー屋に押され気味。そんな時クアンという名のベトナム人が現れる。「技能実習生」として近くの農家で働いている。彼のつくるベトナムカレーは絶品だった。早苗と哲夫は、新メニューに加える決断をするのだったが……。

 
移民問題について
深く考えたことありませんでしたが
この芝居をみて
少し考えてみました

以前はコンビニや居酒屋などで働く人は
中国系の若者が多かったようですが
最近はベトナムの若者が目立ちますね
淡路島では玉葱畑で働く実習生が多いそうです
この芝居に出てくるクワン君(神 敏将)も農家で働く実習生です
知らなかったのですが
実習生は
借金して本国で100万円払い
その内4割は実習期間が過ぎ無事帰れば
戻って来るそうですが
40万円を惜しむために転職を勧めるそうです
工場で学ぶチエン君(岩谷優志)もそうです
文化や習慣が違うため
トラブルが絶えなく
継続して働くことはなかなか難しいようです
ここに眼を付けたベトナムの紹介業者や日本の業者たちが
実習生達をうまく利用しているのです
ベトナムはアメリカに勝利した唯一の国
社会主義国家
このような紹介業者がいるなど驚きですが
中国をはじめ
資本主義の色あいを強くなっているのですね
汚職に賄賂・独占
人はどうしてこんなに
金と権力に眼が眩むのでしょうか

芝居ですが
とても見応えありました
中津留さんらしい
現代性と優しさに溢れた作品でした
登場人物一人一人の悩み・葛藤
久々にほろっと涙が出る場面もありました
クワンを好きななってしまった友紀(中地美佐子)
実習期間が終えた後も
クワンが日本に残るのか
友紀がベトナムに行くのか
含みを持たせたラスト
いがみ合った人たちとの誤解も解け
清々しさが舞台に拡がりました
働く庶民の姿が見えました



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