『みんな我が子』 NTL IN JAPAN 2019
Masao'sホーム  
観劇記 あまご 
2019年10月22日 
KAVC 
作:アーサー・ミラー
演出:ジェレミー・ヘリン
オールド・ヴィック劇場(ロンドン)
上演時間155分(休憩含む)



初めて観ました
凄い作品です



何処かに救いがあるのでは
最後まで期待していたのですが・・・
カーテンコールは
オールド・ヴィック劇場の観客たち
総立ち
このような辛い芝居にこれほどまでの歓声が上がるのか
私は打ちひしがれていましたので
とても違和感がありましたが
相方曰く
素晴らしい演技に感動しているのだから・・・
アーサー・ミラーの芝居はいつも辛いからね
私はすっかり芝居の世界に感情移入していたのです
『セールスマンの死』や『るつぼ』も壮絶な終幕でした
同じころデビューしたテネシー・ウィリアムズの作品も
悲しい物語が多く
喜劇作家と言われるニール・サイモンも
喜劇と言うより私には悲劇作家のように思えます
激しい競争社会の典型であるアメリカを
彼らはとても冷めた眼で眺めていたのです
これらの芝居は
救えなかつた人々に対するレクエイムだと思います
ラストシーン
父親の死を嘆くクリスに母ケイトは
生きるの」 と 囁きます



今年の上半期
ロンドンでは途切れることなくアーサー・ミラーの作品が
上演され続けていたそうです
そしてブロードウェイでも
『みんな我が子』ロンドンと同時期に上演され
トミー賞の候補に
日本でも来年2月に俳優座劇場プロデュースで
『彼らもまた、わが息子』として新訳で上演されるという
背景にあるのは
現代の競争社会の危機なのかも

手元にあるアーサー・ミラー全集(T〜W)
そろそろ完読に向けて
読みごろかもしれません

 
ケイト・ケラー
ジョー・ケラー
クリス・ケラー
アン・ディ−ヴァー
ジョージ・ディーヴァー
サリー・フィールド
ビル・ブルマン
コリン・モーガン
ジェナ・コールマン
オリヴァー・ジョンストン

ページTOP

Masao'sホーム 観劇記