『リボルバー』 
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観劇記 あまご 
2019年10月25日 
伊丹 AI・HALL 
作:大竹野正典 演出:橋本匡市(万博設計)



大竹野正典没後10周年記念公演
『山の声』 「サヨナフ』に続いての3作目の出会い
これまで観た2作品は死を直前に控えたシリアスな芝居でしたが
この芝居はどこかユーモアが溢れていました
突然ウンコが出なくなった青年が
刺激があれば排泄できる
その瞬間の快感を求めて刺激を求めて
やくざ弟子になろうとする
時はバブルの頃でしょうか
以前は三種の神器と言われた
冷蔵庫や洗濯機が広場に捨てられ
二組の夫婦が拾いにきます
そこに
拾った洋服ダンスを元の所に返しに夫婦が現われる
三組の夫婦と
やくざと青年とやくざの姉御の物語
箪笥の中には抗争で殺された組長が隠していた
リボルバー(回転式拳銃)があるはずでした
殺された組長の仇を討つために
やくざは拳銃を探していたのです
義理と人情に生きる中年のやくざ
現代は仁義なき闘いなのか

そこに不思議な例のウンコ青年が現れます
ふと思う
出るにも出れない閉そく感
もし
閉そく感が
ある快楽と繋がったら・・・と
瞬間に
この芝居はかなりのブラックな芝居だと感じました
義理も人情もない世界
小さな出来事が大きな事件に繋がる
無責任な時代
一時的な快楽を求める時代
大竹野正典さんが言いたかったことは
あの時代に対する危機感だったのかもしれません

ところで
舞台装置はシンプルでよかったですね
花道のような舞台を両サイドから囲んだ舞台
オープン形式の舞台は演じる側も見る側も
緊張感溢れて
演じているな〜観ているな〜
劇場にいる喜びを感じます

次回の大竹野正典作品との出会いが楽しみです

出演
森本研典
千田訓子
岡田望
三田村啓示
結木愛
空本健太郎
イトフ
和中香穂
松尾晃典

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