『泰山木の木の下で』 
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観劇記 あまご 
2019年12月18日 
 
作:小山内裕士 演出:丹野郁弓
劇団民藝公演 三越劇場



ここ数年12月は三越劇場で劇団民芸の芝居を見ています
昨年は『グレークリスマス』
一昨年は『仕事クラブの女優達』
今年も終わったね
そんな気持ちになります
『グレークリスマス』はいまだに余韻があります

さて今回の主演女優は日色ともゑさん
どんな芝居になるのでしょう

とてもチャーミングで可愛いいお婆さん
素敵なハナおばさんでした
この芝居
16年ぶりの再演だそうです
当時のハナおばさんは北林谷栄さん
448回も演じられたそうです
日色さんもきっと受け継がれるのではないかと思います
木下刑事を演じた塩田さん
ジーンときました

原爆の問題を扱うのはとても難しい・・・
怒りと哀しみ
当事者でしか察することができない事ですから
パンフレットに尾崎宏次さんが書かれていました
小山裕士は「鎮魂歌を書き残した人」だと
決して叫んではいけない
決して理屈をいってはいけない
決して荒々し足音たててジグザク行進などをしてはいけない
決して旗を振りまわしていけない


私の父もまた「声低く語る」人でした

ものがたり
小さな汽船が行き来する瀬戸内海の小さな島。
白い大きな花をつける泰山木。
その木の下で質素に暮らすハナ婆さんは
貧しいながらも9人の子どもを産み
戦争中に優良多子家庭として表彰されました。
しかし3人の子は戦死
のこる6人の子までも
広島の原爆で亡くしていました。
思えば、殺されるために産んだようなものだ――。
悲しい体験をもつハナは戦後
人助けのつもりで
頼まれると密かに子どもをおろしてやっていたのです。
 早春のある日
ひとりの男が泰山木のその家を訪れます。
堕胎の罪でハナ婆さんを逮捕しにやって来た木下刑事です。
御幸署へ連行する船中でハナ婆さんの話を聞く木下刑事も
また誰にも言えない苦悩を抱えていたのでした……。


木下刑事:塩田泰久
神部ハナ:日色ともゑ
須崎刑事:吉田正朗
小使:松田史朗
マリという女:八木橋里紗
出前持ちの青年:大中耀洋
髪を垂らした女:桜井明美
磯部の奥さん:神保有輝美
田舎ふうの紳士:横島 亘
若い船員:平野 尚
漁師の女房:船坂博子
医者:天津民生
看護婦:佐々木郁美
歌を唄う男:千葉茂則
ギターを弾く男:淡谷幹彦(客演)

 

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