リーマン・トリロジー』 
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観劇記 あまご 
2020年8月9日 
 


原題:THE LEHMAN TRILOGY
作:ステファノ・マッシーニ
翻案:ベン・パワー
演出:サム・メンデス
主演:アダム・ゴドリー
サイモン・ラッセル・ビール
ベン・マイルズ
ピカデリー劇場(ロンドン)

STORY

18449
ドイツ・バイエルンからアメリカ・ニューヨーク港へとやってきた
若きヘンリー・リーマンは
アラバマ州モンゴメリーで店を開く。
遅れてやってきたエマニュエル
メイヤーの2人の弟とともに「リーマン・ブラザーズ商会」を設立したヘンリーは
綿花を中心に売り上げを伸ばしていく。
やがて会社は金融業にも進出しつつ
息子、孫の代へと引き継がれていくが
2008年、株価の暴落により倒産。
世界中にリーマン・ショックと呼ばれる金融危機を引き起こす。


イメージは予告編を見てください
https://eiga.com/movie/92338/

一言でいえば素晴らしい舞台
そして
三人の役者の三代にわたる演技が素晴らしい

以前
燐光群によるリーマンショックを描いた芝居
「ザ・パワー・オブ・イエス」という芝居を観ました
リーマン・ショックはなぜ起きたか
関係者の証言による迫力ある芝居でした
今回の芝居は
リーマン一家の歴史というか物語
アメリカ経済のおよそ200年に渡る
アメリカ資本主義の発生と流れが明快で
経済音痴の私でも理解できたようです
資本主義の良し悪しは別として
金融を伴う産業が人々の暮らしを豊かにしてきたことは事実だと思います
農業や工業に投資し
鉄道や運河の建設に資本を注入し
リーマン一家が貢献してきた


誰かに聞いたことがあるのですが
株屋は誇りを持っていたと
山高帽をかぶりネクタイを締めて
将来性のある仕事に投資していた
私たちは紳士であると

しかし
現代はどうでしょう
リーマンショックでは
お金のお金のための経済によって
世界は大打撃を受けました
現代の金融は株屋の理念を捨ててしまったのでは
この芝居は
こうした意味では驚きでした
リーマン一家にはリーマン家の理念があった
現代は
理念ではなく
ただ安直に流されているのでは・・・
経済だけでなく
技術も文化もそして政治も個人も
流れに流されない生きかた
当たり前のようですが
そんなこと感じた芝居でした


 

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