SMALL ISLAND』 
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観劇記 あまご 
2020年08月20日 
 


作:アンドレア・レヴィ(オレンジ賞受賞作)
翻案:ヘレン・エドムンドソン
演出:ルーファス・ノリス
主演:リア・ハーヴェイ、エイズリング・ロフタス、ガーシュウィン・ユースタシュ・ジュニア
上演劇場:ナショナル・シアター オリヴィエ劇場(ロンドン)
上映時間:207 分(休憩含む)

ジャマイカ生まれのホーテンス(リア・ハーヴェイ)は
幼くして両親と離れ親戚のフィリップ家で育てられる
フィリップ家は豊かであるが宗教心があつく
一家の一人息子であるマイケルとともに
厳しく育てられる
やがて成長したホーテンスは
マイケルに恋心を抱くようになるが
マイケルがアメリカ人の女教師と接吻しているところを見て
近所の人に知らせたことから
マイケルは郷里に居られなくなり
ジャマイカを去りイギリス空軍に入る
その後
ジャマイカで教師となった彼女は
イギリスに渡ることを決意する
そこで
イギリスで弁護士になりたいというギルバード(ガーシュイン)に出会い
仮の夫婦の約束をしてギルバードに旅費を渡し
ロンドンで住むところを探してくれるように頼む
(独身の女は出国できないようだ)


(廻り舞台・奈落から役者たちも登場する)
一方
ロンドの北部にあるリンカーシャーの
養豚農家の娘としてそだったクイニー(エイズリング・ロフタス)は
都会に憧れ
ロンドンでお菓子屋を営んでいる叔母の手伝いをするようになる
そこで客のバーナード(アンドリュロスニー)に見初められ
叔母が急死したため
ちょっと頼りないバーナードと結婚することになる
そして
バーナードの父と三人で暮らすことに



なんと
ギルバードが見つけた宿は
クイニーの家だった
夫のバーナードが軍隊に入ってしまったため
家賃収入で暮らさなければならなかった
狭くて
奇麗でもない下宿



驚いたことに
マイケルもここで一晩過ごしていたという
四人の不思議な関係が横糸のように紡がれてゆく

予告編を見てください

https://youtu.be/P1_zKLO5Fjo

素晴らしい舞台と音楽
うまい役者たち
ロンドン芝居の魅力に今年も引きずりこまれます


日本も40人に一人が外国人という時代になったそうです
街ではベトナムや南方系の若者をよく見かけます
実習生という名目で
低賃金で過酷な労働状態にあるという噂をよく聞きます
彼らは工場だけでなく
人手不足となった農家や漁業にも従事しているそうで
倉庫で働くギルバートがロンドンの労働者から
「お前たちが俺たちの仕事を奪っている」と
ののしられます
日本もそんな時代になっているのでは・・・


(倉庫で働くギルバード)

40年ほど前だったか
初めてロンドンに行ったとき
ホテルの受付やレストランの案内は皆黒人さんでした
黒人はアフリカ系なのか思っていたのですが
ジャマイカなど中南米の人たちも黒人と呼ばれているのですね
戦前
アメリカに渡った日本人も異色人種として
ずいぶん差別されていたそうです

最近NTLiveなどロンドン舞台を見ていると
黒人も白人も差別なく
アマデウスのサリエリや
リヤ王の娘が黒人だったりして
イギリスは
演劇界だけなのかもしれませんが
当たり前のことのようです



 

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