『浮標(ぶい)』 |
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観劇記 あまご |
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作 :三好十郎 演出:長塚圭史 |
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三好十郎作:長塚圭史演出による 「浮標(ぶい)」を10月8日大阪シアター・ドラマシティで観てきました。 休憩2回上演時間は4時間にも及ぶ大作ですが 終始緊張感に溢れ 見ごたえのある芝居でした。 長塚圭史演出による舞台は今年3本目 (他:ガラスの動物園、南部高速道路)で 個人的には今もっとも注目している演出家です。 年末には新国立で「音のいない世界で」(作・演出)が上演されます。 観に行きたいな〜と思っています。 長塚圭史の舞台は実意にシンプルです。 写真のように舞台のほとんどが海辺の砂浜になっていて 左右に5脚の椅子があり 演じる俳優と準備中の役者以外は 時に微笑んだり 考え込んだりながら砂場の中で演じられる芝居を観客のように見つめています。 写真はパンフレットより 舞台は初めから最後まで同じです。 小道具を使わない ソーントン・ワイルダーの「わが町」のような舞台です。 死をテーマにしていることも共通しています。 写真は篠山紀信の舞台写真より引用 芝居は三好十郎とその妻の実の体験をベースにしたもので 戦争が始まる直前の暗黒の時代を背景にして 信じていた思想との決別や愛する病床の妻との死別を綴った 画家久我五郎(田中哲司)と美緒(松雪泰子)の壮絶な生き様を描いた物語です。 芝居を観てから もう1週間にもなるのですが この芝居をどう受け止めてよいのか まだよくわかりません。 写真は篠山紀信の舞台写真より引用 実に感動的でとても素晴らしい作品だと思うのですが 上手く表現することが出来ません。 長塚圭史はできるだけたくさんの人達に観て欲しいから再演を考えたと 冒頭に挨拶されました。 語るより 観てもらうしかないような芝居です。 戯曲全文は「青空文庫」からネットで読めます。 壮絶なラストのシーンを是非読んでみてください http://kuzukawa-shichosha.jp/gikyoku/ 写真はパンフレットより |
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