『父と暮らせば』   劇団神戸自由劇場 第19回公演

観劇記 あまご 

          作   : 井上ひさし
          演出 : 今泉おさむ
          
         

劇団神戸自由劇場復活第19回公演
「父と暮らせば」を
昨夜
元町プチシアターで観てきました。
金曜日の仕事の帰り
元町駅に到着したのは6:30頃
土砂降りの雨でした。
開演は7:30
時間がたっぷりあったので
久々に元町アーケード街を散歩
風月堂ホールでは落語会
元町ミニシアターでは「8月の鯨」を上映していました。
 7:20から入場開始と聞いていたので
7:15に会場に着いたらほぼ満席
2番札をもらっていたのに最前列の座布団席でした。
 「父と暮らせば」15年ほど前に
こまつ座公演
すまけい・梅沢昌代による舞台
そして10年ほど前に
宮沢りえ・原田芳雄による映画を観ましたが
ぼんやりとしか覚えていません。
それでも大筋は記憶にあるので
井上ひさし流の仕掛けに驚くことはなかったのですが
改めてこの芝居の奥行きの深さを感じました。
原爆をテーマにした芝居は
暗くて辛くて、テーマが大きく逃げ切れない・・・と昔
広島の地元劇団「月曜会」にいた友人は語っていました。
しかし
この芝居は、
とても辛い芝居だけど
どこかホッとする暖かさを感じます。
井上ひさし流の「命の希求」です。
原爆で父をはじめ沢山の友達を失い
どうすることもできなかつた福吉美津江(鎌田紀子:神戸自由劇場)。
ひとり生き残り
それが許されるのかと悩む娘を
励ます父福吉竹造(大西衛一:四紀会)。
美津子の恋の始まりのときめきから胴体が
ちょっと不安な恋の溜息から手足が
そして恋の願いから心臓が・・・

美津子 「おとっつあんは、私に恋をさせようと ・・・」 
竹造   にっこり笑う

 先月から、「わが町」「とりつくしま」「十字軍」そして「父と暮らせば」
魂の蘇る芝居が続きます。
時代は魂を奪う方向に進んでいるようですが
娘や息子や
そしてあとに続くもの達が平和に暮らせるように
歴史の歯車を逆行させてはならないと思いました。
 「父と暮らせば」は、
来週も上演されます。
大西さん、鎌田さん熱演でした。
みなさん是非応援してあげてください。


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