『ハーベスト』

観劇記 あまご 
2012.12.14 
          作 :リチャード・ビーン   
           演出:森 新太郎 
          世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
         



芝居の舞台はイギリスヨークシャ州のキラム
ハンバー橋の北辺りですね。

 ハーベストは2005年ロンドンで初演
各賞を受賞し英国演劇界の話題をさらった作品
作者のリチャード・ビーンは
今イギリス演劇界で最も注目を集めている人気劇作家。
イギリスの現代演劇が観れる
というので
イギリスまでは無理ですが
東京ならばと
行ってきました。
 ハーベストは収穫という意味
養豚業にこだわり続けたハリソン家の物語。
長男ウイリアム(渡辺徹)戦争で両足を失い
弟夫婦:アルバート(平岳大)モーディー(七瀬なつみ)と共に
元地主の嫌がらせを受けながらも農場を発展させて行きます。
しかし
ウイリアムにもアルバートにも農場を引き継ぐ子供がいません。
後継者がいなければ地主に買い上げられてしまいます。
そこで
モーディーの姪ローラ(小島聖)に農場を譲ることに
ローラは捕虜のドイツ兵ステファン(佐藤アツヒロ)と結婚し
ウイリアムと共に農場を守って行きます。
 この芝居は長男ウイリアム(渡辺徹19歳から109歳まで)
ローラ(小島聖20代から80代まで)の二人を軸に
イギリスの農村を舞台にした波乱に満ちた人生を描いたものです。
養豚業という地味なテーマですが
およそ100年に渡る労働と生活
恋愛があり
地主との戦いがあり
戦争があり
国家の管理機構との戦いや後継者問題・・・
様々な悩みや困難の中で
逞しく生きるハリソン家の人達の物語が繰り広げられて行きます。
 養豚業
第一次産業が芝居になることはとても珍しいことです。
特に現代劇は都会で暮らす人達の直接生産でないテーマが多いのですから
東京という大都会でこんな芝居が観れるとは
ちょっとした驚きを感じました。

みる事
考え・想像すること
遊び・恋をし・働き
食べる
食べるものを作る

生きる上での連鎖

特に畜産については都会にいるとほとんど触れる機会もなく
そこに働く人達のことに思いを馳せることはありません。
大切なこと忘れていたようでした。
7場3時間の大きな芝居でしたけど
あっという間に終わってしまいました。
見応えのある芝居です。
渡辺徹・七瀬なつみ・小島聖・平岳大
兄弟の母(田根楽子)
テイッチ(有薗芳記)
見事なアンサンブルでした。


        

     第1場 1914年
     第2場 1934年
     第3場 1944年
     第4場 1958年
     第5場 1979年
     第6場 1995年
     第7場 2005年
種馬の男
アダムとイブ
ナチス25歳
肥やしの日
ローマ人の作った道
豚に真珠
いつも心に歌を
ウイリアム19歳
ウイリアム39歳
ウイリアム49歳・ローラ25歳
ウイリアム65歳・ローラ40歳
ウイリアム84歳・ローラ60歳
ウイリアム100歳・ローラ75歳
ウイリアム109歳・ローラ85歳


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