『母と暮せば』 
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観劇記 あまご 
2018年12月11日 
 
原案:井上ひさし
作:畑澤聖悟
演出:栗山民也

出演 富田靖子 松下洸平



映画「母と暮せば」と違って
二人芝居です
舞台に灯りが灯ると
ちゃぶ台の前に母伸子が
3年前に原爆で亡くなった息子の位牌を眺めています
階段には息子浩二が・・・
不思議なことに
その瞬間から涙が溢れてきました
つい
これから始まる物語を想像してしまったのです

浩二の恋人のこと
恋人の恋人のこと
浩二を襲った原子爆弾のこと
伸子が助産婦の仕事を断っていること
おばちゃんのこと
とても奇妙だけど
何処か喜びに溢れた二人の会話が続きます
この舞台は
生きることがテーマ
映画では確か伸子も死んでしまうのですが
再度助産婦として働く決意で終わります
こころの中では号泣状態でした
流石
畑澤聖悟&栗山民也
そして
富田靖子&松下洸平
とてもよかった!
広島の原爆をテーマにした「父と暮せば」
決して忘れられない芝居ですが
「母と暮せば」も同じように
決して忘れられない芝居となりました
芝居を観お終えた後
喫茶店で
皆さんもう一度観たいと声が上がりました
そしてもっともっとたくさんのひとに観て欲しい

井上ひさしさんの叫びが聞こえてくるようです
核兵器というものは、どこまでも人間をつけ回し、
なんどもなんども人間を騙し討ちにして、
人間の生きる勇気と誇りとを台無しにする悪魔の贈物であって、
こんなものを兵器だの爆弾だのと「やさし気に」呼んではいけない。
たとえ、どんな理由があろうと、こんなものをつくったり、保持したり、
人間の上に落としたりするやつは、この世の大ばかやろうである。
彼らはじつに人間の顔をした悪魔である。そう呼んでまちがいない。
いや、人類の中で最初に、核兵器の正体が悪魔の弟子どもであることを体験したわたしたちは、
そう呼ぶ資格と、そう呼ばねばならない(人類にたいする)聖なる勤めがあります。

―――――井上ひさし

 余談ですが
開演まえロビーに入ろうとしたら
麻矢さんが声をかけてくださり
びっくりしました
てっきりホールの方かと思ったら麻矢さん
先月の遅筆堂のお礼が出来ました
この後マンザナ公演で北陸に行かれるとか
来年春の「イーハトーブの劇列車」での再会を楽しみにしています




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