『ハムレット』 ナショナル・シアター・ライブ
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観劇記 あまご 
2018年4月19日 
 
ナショナル・シアター・ライブの「ハムレット Hamlet」を
神戸カブックで見て来ました

KO君の紹介です
英国のナショナル・シアター劇場公演をライブで映画館で上映
というより
非映画コンテンツというらしく
「これは映画ではない」
ということが
強調されているそうです

プロローグは
ハムレットを演じるベネディクト・カンバーバッチによる
演劇学校の生徒たちとの
ハムレットの芝居練習を見学する処から始まります
イスラム系・黒人系・ヨーロッパ系の生徒たちが集団で
ハムレットを演じます
後半のインタビューのyoutubに出てきます
ハムレットをどう演じるか
それは
その時代を反映し
演じる人たちの想いです
私が初めて観たハムレットは
1971年4月

ハムレットは山本圭
オフィーリアは佐藤オリエでした
舞台中央に鉄パイプを組み
山本ハムレットは
駆け上がりぶら下がり
縦横無尽に舞台を駆け回った
当時の状況を反映して
反抗的政治青年ハムレット
自分の国を牢獄とみなしその束縛から解き放たれるため
ひたすら突っ走る青年であった


演出した俳優座の増見さんは大阪労演の会報誌に書かれています
大阪労演NO.369


そして2度目のハムレットは
1980年2月
ハムレットは山本圭と磯部勉のダブルキャスト
オフィーリアも香野百合子と山本郁子のダブルキャスト
不確実性の時代
1978年にジョン・ケネス・ガルブレイスの著書のタイトルを
『不確実性の時代』と訳したことから広まった
迷えるハムレット
ハムレットは時代の中に生きている
そう思いました
10年に一度は いや
5年に一度はハムレットをみてみたい
自分と時代を確かめたい
そんな想いに駆られました
3度目のハムレットは1983年9月
その頃の私は絶望的でした
ハムレットは同じく山本圭:山本圭+無名塾による公演
見た記憶はあるのですが印象は薄く・・・
14年後の1997年
俳優座 てらそま昌紀のハムレット
西田有希 小山力也 有馬理恵 他
そして近年の舞台は
2014年2月
東演・V・ベリャコーヴィッチによる前衛的ハムレット
17年ぶりに観る「ハムレット」は理解できません
あまりにも視覚的過ぎて・・・
故V・ベリャコーヴィッチ氏のことは昨年ロシアで学びました
今はなんとなく理解できます
絶えず斬新な芝居を追求するメイエリホリドの孫弟子
あたまの天辺では理解できても
感動するには歳を取り過ぎたのかもしれません


前置きが長くなってしまいましたが
ナショナル・シアター・ライブの「ハムレット」

アナグロな電話機やパソコンが登場することから
舞台は1990年代のロンドンかな〜
この作品は2015年に作られたそうですから
シェイクスピア生誕450年の翌年です
舞台は現代的ですが作りはクラシック
まずは舞台の一部を観てください


写真は映画.comからの引用です
http://eiga.com/movie/82979/

原作では亡霊のシーンから始まるのですが
戴冠式後の宴会の場面から始まりました
簡単なあらすじは下記の映像で見てください
https://youtu.be/R2LRdBjpMPM
一幕の有名な台詞
To be or Not to beもYoutubeにあります

15分間の休憩のあと
二幕は華やかな宮廷が土砂にうずまった舞台に転換します
あっと驚きました
休憩時間中は客席の風景が流され
あたかも私もナショナルシアターにいるような気分になります
ナショナルシアターは奥の深いそして広い
みごとな劇場空間です
映像でしか見れないような舞台を楽しむことができました
それにしても泥にうずまった舞台
何を意味しているのでしょう

泥まみれ・腐敗
汚れきった権力の世界
現代のハムレットが悩んでいるのは
この汚れきった権力との闘い
己の無力さ

ふと
そんなこと感じました

皆さんの想いはそれぞれ違っているのでしょう
それがハムレットをみる楽しみなのかもしれません

墓をほる道化の呟きには庶民の気持が表れます
イエスマンのロジ・ギルこと
ローゼンクランツとギルデンスターンは
ハムレットの学友でもあり王の忠実な僕
ここにも現代を感じます
今年はトム・ストッパードの
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」も
シアターライブで上演(映)されるそうです
楽しみです

Youtu.beにカンバーバッチのインタービューがありました
墓堀道化のことや学生演劇の場面もあります
ちょっと長いけれど英語の勉強にはなります
 (へ。へ)ζ

https://youtu.be/l0ky_tQxwgo


本場のシェイクスピア
映画ではない映像舞台
感動しました
俳優が上手い
舞台装置も素晴らしい
舞台を映す映像技術もグッド!
毎年ロンドンで沢山芝居をみているコタさんも一緒でしたが
ロンドンまでいかなくても十分楽しめたと
おっしゃっていました
でも本場のハムレットもみたいですよね!

次回は「お気に召すまま」
これもシェイクスピアの最高の喜劇
楽しみです
 

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