『Hobson’s Choice 〜ホブソンの婿選び〜』

観劇記 あまご 

          作:ハロルド・ブリッグハウス 
          訳・演出:丹野郁弓
          無名塾 サンケイブリーゼ(大阪)


 「仲代達也役者生活60周年記念

銘打った
「ホブソンの婿選び」

涙が出るくらい笑いました。
仲代さんの芝居を初めて観たのが70’年
美しいデズデモーナ(河内桃子さん)への
愛と嫉妬に狂う将軍
「オセロ」でした。
それから


 74’「リチャード3世」 俳優座/岩崎加根子、他
 75’「どん底」 俳優座/佐藤オリエ、他
 75’「令嬢ジュリー」 俳優座/栗原小巻、他
 77’「ジュリアス・シーザー」 俳優座/加藤剛、他
 78’「オイデプス王」 俳優座プロデュース/神崎愛、他
 80’「棟梁ソルネス」 無名塾/神崎愛、他
 81’「マンドラゴラ・毒の華」 仲代プロジェクト/山本圭、他
 82’「マクベス」 仲代プロジェクト/神崎愛、他
 84’「ハロルドとモード」 仲代プロジェクト/宮崎恭子、他
 87’「ルパン」 無名塾
 07’「ドライビング・ミス・デイジー」 民藝(奈良岡朋子)+無名塾
 08’「ドン・キホーテ」 無名塾
 10’「ジョンガブリエルと呼ばれた男」 大空眞弓/米倉斉加年/十朱幸代
と今回で15本目、まだまだ楽しみは続きそうです。

 
この芝居は
93’「マギーの決断」というタイトルで
地人会が神戸でも公演したそうですが
あの頃は遠くに出稼ぎに行っていたので・・・・
観ていないのか記憶にありません。



 芝居は
19世紀の半ばのイギリスのとある町にある「ホブソン靴店」

酔いどれ状態のホブソンが舞台に登場すると
大きな拍手が起きました。
熱烈な仲代ファンが多いのか
登場するだけでも絵になる役者のせいなのか・・・
会場の雰囲気は一気に盛り上がります。
ホブソン一家は婚期を逃した30過ぎの娘マギー(渡辺梓)と
若い娘アリス(松浦唯)、ビッキー(樋口泰子)の四人暮らし
靴職人ウイリー(松崎謙二)と親方のタビ―(鎌倉太郎)が
地下の作業場で働いています。
ホブソンの目下の悩みは三人の娘たち、
婚期を逃したマギーはともかく
結婚適齢期の口うるさい娘たちをさっさと嫁に出したいのですが
当時の習慣として持参金が必要。
それならばこのまま店員として雇うか・・
ちょっとケチな寂しがり屋の親父です。
妻に先立たれたホブソンは悶々とした酒浸りの日々が続きます。
店主のホブソンがそんな状態でもお店は大繁盛
それは腕のいい職人ウイリーと
商売上手の凄腕番頭(?)長女マギーがいるからなんです。



ある日、
お店に大金持ちのヘップワース夫人(岡本愛)が現れて
ウイリアムの作った靴を絶賛!
マギーはある重大な決断をします。




 マギーが決断し
ホブソンが選択を迫られるのですから
二つのタイトルに納得できます。
今回の芝居はどちらかというとマギーが主役でホブソンが脇の感じ。
仲代さんを脇にしてしまうマギーの迫力は凄い!
親父は娘に弱いらしいですから・・・
拍手!拍手!拍手!
喜劇なのに涙のスタンデイングオベーションです。
 




 役者人生60年
無名塾で役者を育て続けて35年!
たくさんの仲代ファンもいます。
来春
「役者人生60年を迎える仲代が芝居の原点を見つめ直す」
ということで
仲代特別公演「授業」
(原作:イヨネスコ、翻訳:丹野郁弓)
があるそうです。
楽しみです。

写真はパンフレットから

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