『三人姉妹』 |
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観劇記 あまご 2015年3月7日 シアターBRAVA! |
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作 :アントン・チェーホフ 演出:ケラニーノ・サンドロビッチ |
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アントン・チェーホフの「三人姉妹」をいつもの芝居友達と4人で見て来ました。シスカンパニーですから豪華な顔ぶれです。長女オリガ:余貴美子、次女マーシャ:宮沢りえ、末娘イリーナ:蒼井優、長男アンドレイ:赤堀雅秋、アンドレイの妻ナターシャに神野三鈴、段田安則、堤真一・・・ |
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「三人姉妹」をはじめて見たのは、1972年11月、民藝:宇野重吉演出による舞台でした。三人姉妹は仙北谷和子、坂口美奈子、樫山文枝、ナターシャは草間靖子と豪華な顔ぶれです。 そして、三年前の文学座は石井麗子、塩田朋子、荘田由紀の三姉妹にナターシャは千田美智子。文学座は女優陣もさることながら、恋する少佐の愛称も持つベルシーニン中佐を演じた清水明彦、ドクトルの菅生隆之ら男優たちのアンサンブルが見事でした。 今回の男優さん達は個性的過ぎて、上手すぎるのか、しっとりしたアンサンブルに多少の物足りなさを感じましたが、アンドレイとナターシャがとてもよかったと思いました。大学教授となってモスクワに連れて行ってくれるはずの希望の星アンドレイ。ナターシャと結婚した後は、絶望的な結婚生活の中で夢を失い、賭けごとに手を出して借金をかかえ、大学教授の夢を捨て、情けなくも小さな町の市会議員になることが目標となります。三人姉妹のモスクワへの夢は断ち切られます。一方、ナターシャは、結婚前は、オリガに緑色のベルトが悪趣味だと指摘されて泣きだしたり、食事の時に冷やかされると逃げ出してしまうような内気な娘だったのですが、昔からの使用人だけでなく、オリガやイリーナを追い出し、終幕はまるで一家の主の様に見事に変身してゆきます。情けないアンドレイを演じた赤堀雅秋、そしてナターシャの神野三鈴さんの演技はとても光っていました。 軍隊は去ってゆく、私達の住む町を捨てて、地方から大都市へそして遠くの土地に、軍隊を工場と置き換えると、なんだか今の世と同じような感じがしないでもありません。 |
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マーシャ まあ、あの楽隊のおと!あの人たちは発って行く 私たちだけがここに残って また私たちだの生活を始めるのだわ。 生きて行かなければ・・・生きて行かなければねえ! イリーナ 「やがて時が来れば どうしてこんなことがあるのか なんのために苦しみはあるのか みんなわかるのよ。 でも当分は こうして生きて行かねば・・・働かなくちゃ ただもう働かなくちゃねえ! オリガ 楽隊の音は、あんなに楽しそうに、力づよく鳴っている。 あれを聞いていると生きて行きたいと思うわ!・・・ あれを聞いていると もう少ししたら なんのために私たちが生きているのか なんのために苦しんでいるのか、 わかるような気がするわ。 ・・・それがわかったら、それがわかったらねえ! チエブトイキン 「おんなじことさ!おんなじことさ! オリガ それがわかったら、それがわかったらねえ! −幕― |
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