『スカイライト』 
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観劇記 あまご 
2018年12月27日 
 
作:デビット・ヘア
翻訳:浦辺千鶴
演出:小川絵梨子
出演:浅野雅博、蒼井優、葉山奨之
兵庫県立芸術文化センター 中ホール



あらすじは 新国立劇場HPから
ロンドン中心部から離れた質素なアパートに住むキラの元に
かつての不倫相手の息子であるエドワードがやってくる。
妻アリスを亡くして以来
不安定なままの父親トムを助けてほしいと言い残し
彼は去る。
同じ日の夜
期せずしてトムもまたキラの元を訪れる。
三年ほど前
不倫関係が明るみになった日以来
初めて再会した二人は
夜更けまでこれまでのことを語り合う。
お互いへのいまだ消えぬ想いと
解けない不信感、
共有する罪の意識の間で大きく揺れ動く二人の会話は
やがてそれぞれの価値観の違いへと触れて行く。
相手の急所を射抜く言葉を知っている二人の駆け引きがたどり着く先は......。


写真はステージナタリーから
映像もありました

https://natalie.mu/stage/gallery/news/311135/media/34797


小川絵梨子新国立劇場演劇芸術監督就任 
初演出となる舞台
文学座の浅野雅博さんと蒼井優さん
魅力的な二人の物語
加えて作はデビッド・ヘアー
2010年に燐光群でみた「ザ・パワー・オブ・イエス」
金融危機をテーマにした芝居
物凄い台詞量とテンポの速さに驚きました
そして
2014年に新国立劇場企画で西宮芸文でみた
蓬莱竜太演出の
「プレス オブ ライフ〜女の肖像〜」
今回同様舞台に出てくる登場人物は
若村麻由美さんと久世星佳の二人だけ
一人の男をめぐる夜を徹した会話劇でした
こちらも相当のセリフ量です
デビッド・ヘアーはジャーナリズム演劇だけでなく
女同士の女と男の微妙な心理を描く作家でもあるのですね
そして
「プレスオブライフ」ではベトナム戦争や公民権運動
「スカイライ」トではイギリス社会における階級的貧困との戦い
一人の男を介しながら
懸命に生きてゆく女性の姿があります
「プレスオブライフ」の観劇記にも書いていましたが
「デビッド・ヘアー」私たちと同世代の劇作家
社会的・経済的な今・現在・現代を舞台にして
男と女の、女と女の微妙な心の変化を重ね合すことのできる
すぐれた作家だと・・・

ロンドンではとても人気があり
彼のチケットはなかなか取れないそうです

ところで
アフタートークで小川絵梨子さんが語っておられましたけど
稽古はほぼ一月とか
役者さんはたいへんだな〜と感心しました

今回の舞台も
セリフが聞こえにくいところがあったけど
東京での舞台は
新国立の小劇場
しかも中央に舞台を置いての対面式
舞台と客席の距離はおよそ芸文の1/4
仕方ないですね
出来れば新国立の小劇場の対面式の舞台で見たかったけど・・・
芸文にも新国立のような小劇場があるといいのですが
地方は悲しい
本公演は東京と兵庫だけとか
でも観れるだけましですね・・・
1月号の悲劇喜劇に載ってましたから
読んでみます

芝居は「プレスオブライフ」と同様
かっての不倫をテーマに
二人の価値観の違いによる論争劇
思い込みもあったり
すれ違いもあったり
男と女の感情の違いもあり
分からないことも多々あるけど
他人のこととなるとそれなりに楽しい
それも芝居の魅力なのでしょうか

小川絵梨子さん
芸術監督の仕事は大変でしょうけど
思い通りの仕事を期待しています
次回はチェーホフの「かもめ」
フルオーディションキャストとは・・・
朝海ひかるさんと伊勢佳代さんも出演
大好きな作品なので
楽しみにしています

 

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