耶馬渓   
    
2006年11月の休日     
山と橋を渡る  Masao's Photo Gallery


青の洞門

 出張中の休日はホテルの部屋が掃除され、とにかく出かけるしかない。どこに出かけるかと思い悩んだ末、耶馬溪の石橋めぐりをすることにした。耶馬溪には石橋の他、石仏で有名な羅漢寺や青の洞門など石に関する史跡が多い。
 耶馬溪に行くには、日豊線で中津で降り路線バスに乗る。九重行きのバスもそうであったが観光地といっても地元の人らしき乗客が数人で青の洞門に着いたときは私一人であった。いまどき電車や乗り合いバスで旅行するのは珍しいようだ。青の洞門には観光バスが次から次と現れて慌しく去ってゆく。路線バスは2時間に1本程度しかないので慌てる必要もなく、ただ歩くのみ。







 今の洞門は自動車を通すために昭和のはじめに拡幅されているが、写真左のように禅海和尚が掘り抜いた洞門も残っている。今から250年ほど前、諸国遍歴の旅の途中この地を訪れた禅海和尚は、鎖渡しと呼ばれる難所で命を落とす人馬を見て、村人のために安全な道をつくることを決意し、ノミと槌だけで長さ約342mの洞門を30年もの歳月をかけて完成したとのことである。
耶馬渓橋

 山国川周辺地区の観光・生活道路整備の一環として大正9年(1920年)から12年(1923年)にかけて、村人らの寄付により架橋された。形式はわが国唯一の8連石造りアーチ橋。当時、長崎県で多く見られた平行布積み方式の工法を採用したこともあり、オランダ橋とも呼ばれている。美しい弧を描く8連アーチ橋の全長は116m、幅員は3.5m。アーチ数と橋長の規模はともに日本一。








羅漢寺



 羅漢寺は青の洞門から山国川を上り左手の支流沿いにを30分ほど歩くと参道入口の案内がある。
 旧参道は落葉が敷き詰められ、静寂で歩くと気持がよい。一人旅の良さはひたすら歩くことである。



 羅漢寺は、大化元年(645)にインドの僧、法道仙人が、この岩山の洞窟で修行したことから開基された寺で、羅漢の総本山といわれている。境内には無(む)漏(ろう)窟(くつ)(五百羅漢窟)があり、無漏窟には様々な表情をした五百羅漢などが安置されている。本寺は昭和18年に火災で焼失、現在の本堂は昭和44年に再建されたそうだ。








本堂の裏には洞窟があり、橋があり、庭園へと続く、ここから見る紅葉もまた格別だ。

耶馬トピア
 羅漢寺の下流には道の駅「耶馬トピア」があって、手打ちそばが食べられるとのことで立ち寄った。そこに屋根のついた珍しい橋があった。橋の名は「嶼水橋」、鋼製のフィーレンデール橋で、屋根が付くことによって、周りの景色と調和している。また、この近くには羅漢寺橋という石橋があったのだが、見逃してしまった。







念仏橋

  山国川を遡ると町営の守実(もりざね)温泉がある、残念ながら時間がなく湯に浸かるのは諦め、レンタサイクルを借りて念仏橋を見に行くことにした。念仏橋は昭和3年に架けられた石造りのめがね橋で周りの美しい渓谷に溶け込んでいて趣がある。この橋の上流には猿飛千壺峡(さるとびせんつぼきょう)という景勝地があって見に行きたかったのだが、時間がなく急いで引き返し再びバスで日田へ、そこからJRに乗りかえて博多に、ホテルに着いた時はずいぶん遅くなっていた。 この度は温泉に入ることもなく、特に後半は慌しい旅だった。しかし、JRと乗り合いバスの旅は不便だか、レンタサイクルを利用すれば効率的に動けることに気づいたのは収穫だった。また、石仏や石橋など石造りの文化に触れることができ、いい思い出となった。







耶馬渓のMAP



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